2021.12.13 一般質問

全議会会議録(県議会のHP)

安部弘彦

皆さん、おはようございます。

「食と緑を守る緑友会」 福岡県議団の安部弘彦でございます。 
それでは、通告書に従い一般質問させて頂きます。
今回のテーマは、『県立高校における防災教育について』であります。
最近地震や火山の噴火が多いと思いませんか?
震度5前後の地震がたて続けに山梨県、和歌山県、伊豆大島近海でも頻発しており、富士山や南海トラフ等、気になるところです。海外でも、ペルー北部やインドネシアでの地震。 また、アメリカでも竜巻による死者が発生するなど、甚大な被害が出ています。
いっぽう、九州では、トカラ列島悪石島付近の地震に関するニュースが毎日のように報道されています。
気象庁の資料によると、明治以降100人以上の死者・行方不明者を出した自然災害「地震・津波及び、台風」等の災害は45回で、関東大震災の約105,000人が最大とされています。
近年記憶に残るところでは、1995年(平成7年)の阪神淡路大震災、
2011年(平成23年)の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)、
そして、2016年(平成28年)の熊本地震であります。
そのような中、福岡県では、防災士の養成研修を定期的に行っており、
先月11月には4つのエリアに分けて講座が開かれています。
本年3月末時点で、5,827人の防災士を養成したと聞いています。まさに、服部知事が言われる人材育成だと思います。
さて、教育現場に目を向けると、文部科学省は、東日本大震災をはじめとする災害を踏まえて、
2012年(平成24年)4月に「学校安全の推進に関する計画」を策定し、その後、2017年(平成29年)3月に改訂され「防災・安全教育」の内容が充実してきています。
そこで伺います。
防災教育の意義について、教育長の認識と本県県立高校における防災教育の現状をお示しください。
次に、今後の県立高校の防災教育について伺います。
兵庫県では、1995年の阪神淡路大震災を教訓に2002年、全国で初めて舞子高校に環境防災科が設置されました。
環境防災科の基本的な教育理念は、
@ 阪神・淡路大震災の教訓を生かして、「自然環境や社会環境」との関わりを視点に据(す)えた防災教育を推進し、共生社会における「人間としての在り方・生き方」を考えさせる。
A 大学やその他の研究機関、関係機関等との連携を密にし、「実践的・体験的」な学習を通して、理解を深めるとともに、「環境」「防災」に関わる様々な課題の解消に向けて、「主体的・自発的に考え、行動できる力」の育成。
B 自然現象のメカニズムや災害と人間社会の関わりの学習などを通して、自己を取り巻く様々な環境に対する理解を深め、「災害に対応する力」を身につけるなど、「地球規模で考え、地域で活動する」人間の育成。としています。
また、愛知県立海(かい)翔(しょう)高校でも、2015年(平成27年)から普通科に、環境防災コースを設置。
宮城県では、東日本大震災の教訓から、多賀城(たがじょう)高校が、2016年(平成28年)に災害科学科を設置し、将来国内外で発生する災害から「多くの命とくらしを守ることができる人材を育成する」としています。
いっぽう、九州では、熊本県立天草(あまくさ)拓(たく)心(しん)高校が防災型コミュニティスクールを東稜(とうりょう)高等学校でも防災に関する実践教育をしておられます。
まさに生涯大切な「学科・コース」の設置ではないでしょうか?
ハード対策も重要ですが、町・コミュニティ・心の復興は、工業系、経済系、文科系、医学系等の知識や技術、若い人のデジタル感覚(ICT)やAIなどの技術を活用し、過去の情報分析や、進化したシミュレーション技術をも活用した「復興コース」なるものの新設にも期待したいところです。
そこで、教育長に伺います。
人間は、経験した以上の事はできません。
今後、本県県立高校における防災教育をどのように推進していくのか?
災害に対応できる力を身に付けた、世界で活躍できるプロ育成のため、防災に関する「学科・コース」等の設置も含めて、検討すべきではないかと考えます。ご所見をお聞かせ下さい。
「生きる力」、いや「生き抜く力」を育む防災教育の進展について、阪神淡路大震災を経験した一人として、教育長の将来を見据えた答弁に期待し、私の質問を終わります。
ご清聴、誠にありがとうございました。

吉田教育長

A.教育長

 

問1 防災教育の意義と現状について
(防災教育の意義について、教育長の認識と本県県立高校における防災教育の現状を伺う。)

○ 防災教育は、身近に迫る様々な災害を知り、自分自身の命を守るために、自ら判断して危険を回避する能力を身に付ける教育として、近年非常に重要性を増していると認識している。
○ 県立高校では、全校で危機管理マニュアルを毎年見直し、これに基づき、火災や地震、河川の氾濫など様々な災害を想定した避難訓練を消防署等と連携して実施するなど、災害に対して自分自身で判断し、行動できる態度を育成するための防災教育に取り組んでいる。
○ 近年、県内で発生している水害の復旧作業に高校生がボランティアとして活躍するなど、防災だけでなく復旧・復興に向けた具体的な行動が見られ、これまでの防災教育を通して地域の安全・安心を守る意識の醸成が図られている。
問2 今後の県立高校の防災教育について
  (今後、本県県立高校における防災教育をどのように推進していくか。防災に関する学科・コースの設置も含めて検討すべきではないか。)

○ 各学校で想定される災害は、それぞれの立地条件等により異なるため、地元自治体と連携を強化して、より現実的なシミュレーションを踏まえた防災教育の充実に努めてまいる。
○ さらに、防災教育の担当教員に対して、これまでの災害から得た教訓、防災に関する科学的・専門的な知識やその重要性、効果的な避難訓練の在り方などについて、毎年研修を実施し、各学校で組織的・計画的に適切な防災教育に取り組む体制が構築されるよう指導してまいる。
○ また、卒業後どこに住んでいても災害に対応できる力を身に付けた人材育成に向けて、他県の先進的な取組を調査し、本県の防災教育の更なる充実に生かすとともに、防災関連の学科・コース設置のニーズ等について研究を行ってまいる。

 

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