12月定例会での代表質問 要約文
「キャンピンカーによる観光振興」キャンピングカーの登録台数は増えてきているものの、欧米などの諸外国とは違い、キャンピングカーの専用駐車場・RVパークの整備が追い付いていない。日本RV協会では今後3年を目途に、国内に1000ヵ所のRVパークを開設すると聞いている。キャンピングカーによる観光振興について、知事の認識は?
A.服部知事
朝倉市においては、寄贈されたキャンピングカーを活用し、レンタカー事業を実施している。市内外の方が利用されており、好評であると伺っている。新型コロナの影響により、旅行者の安全安心を求める意識が向上し、三密を避ける観点から、自然豊かな地方部を少人数で観光するスタイルへと変化している。今後、専用駐車場などの受入環境の整備が進めば、キャンピングカーによる旅行が広がっていくのではないかと考えている。
「キャンピンカーの災害時の活用」米国のFEMA(フィーマ・連邦緊急事態管理庁)と言う組織は、全土に約26,000台のキャンピングカーを保有又は契約しており、有事の場合、即座に災害現場に配備出来る。国内では、愛知県瀬戸市や三重県いなべ市など、日本RV協会の会員企業との災害時の協定締結が加速している。本県においては今年4月、九州経済産業局が、遠賀郡所在のRV会社「ナッツ」と災害時における連携協定を締結した。この会社は九州北部豪雨で被災した朝倉市にキャンピングカーを寄贈しており、朝倉市は、このキャンピングカーを平時には周遊観光のレンタカーとして、また災害時は避難者の支援施設として活用し、成功例の一つ「朝倉モデル」とも言われている。キャンピングカーは、災害現場における職員の打合せスペースや仮眠所、避難所に配備すれば乳幼児の授乳室や携帯の充電電源車等として、様々な利用が可能である。RV協会や会社との協定締結も含め、キャンピングカーの災害時の活用について、知事の所見は?
A.服部知事
キャンピングカーは、ご指摘の用途の他、避難所での集団生活が困難な要配慮者がいる家族の避難所や医療従事者による避難所の巡回診療等で活用できる。また、被災した市町村や近隣県へ応援職員を派遣するにあたって、移動手段と宿泊場所を同時に確保できるメリットがある。一方、災害時には多くの避難所が設置されるため、必要な台数を確保できない場合、避難者の間で不公平感が生じるといった、運用面での課題もある。このため、過去の災害におけるキャンピングカーの活用事例を調査した上で、県内でのキャンピングカー供給可能台数や市町村の意向を確認する等、災害時の活用について研究してまいる。