9月定例会での一般質問 要約文
A.服部知事
全国各地の子ども食堂ネットワーク団体の支援を行っている全国組織、NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」が、昨年12月に発表した「こども食堂全国箇所数調査」によると、福岡県内の子ども食堂の数は200か所となっている。コロナの影響で一時的に活動内容を変更したり、あるいは休止している子ども食堂はあるが、団体数としては、福岡市などの大都市を中心として広がりが見られ、県全体としては、昨年度の決算特別委員会での報告後の10か月間で26か所増加をしている。
A.服部知事
北九州、福岡、筑紫地区の子ども食堂ネットワーク団体の皆さんと話し合う場を設け、意見交換を行った。その中で、各地区のネットワーク団体からは、子ども食堂が活動を継続していくためには、個々の団体が孤立しないよう広域的なネットワークとして県単位のものが必要であり、県も広報等で協力してほしいという話があった。このため県は、今年五月の「福岡県こども食堂ネットワーク」の設立に向け、多くの子供食堂に御参加をいただくため、新聞等への掲載を報道各社にお願いするなどの協力を行った。また、同ネットワークから県に対し、子ども食堂は地域の居場所としての役割を担っている、地域社会のインフラとして貢献したい、行政の関与は最小限とし、自主、自立的な運営をしたい、また安全に活動するためボランティア保険の加入に対する支援をお願いしたいなどの意見を、設立後すぐにいただいた。その後、子ども食堂を積極的に支援している北九州市とも意見交換を行った。その際、同市におけるNPO法人の設立支援や食材の共同購入支援、運営経費の一部補助などの施策について説明をいただいた。
A.服部知事
県としては、子ども食堂の活動が県内各地に広がることによって、生活が困窮している御家庭の子どもさんのみならず、地域の子どもの居場所や幅広い世代の交流の場としていくことが望ましいと考えている。県では、今年度から子育て世帯の相談窓口である県内に五か所ある「子ども支援オフィス」の体制を強化して、子ども支援オフィスの支援員が子ども食堂を訪問している。支援員は、生活に困窮している子どもやその家庭などの状況を子ども食堂のスタッフから聞き取り、早期に把握し、そして個別の悩みや状況に応じて市町村などの関係機関の支援窓口に適切につなぐという取組を行っている。今後、これに加え、子ども食堂が生活に困窮している御家庭の子どもさんのみならず、その地域の子どもの居場所であり、幅広い世代の交流の場となって、地域のにぎわいの拠点となることが望ましいといった観点から、県は子ども食堂とどのように連携をし、また支援していくべきか、研究をしてまいりたい。
A.教育長
食育は心身の成長及び人格の形成に大きな影響を及ぼし、生涯にわたって健全な心と身体を培い、健やかな、豊かな人間性を育んでいく基礎となるものである。学校においては、栄養教諭を中心として食育を推進する校内委員会の設置など指導体制の充実を図るとともに、学校給食をはじめ各教科や総合的な学習の時間における食に関する指導に計画的に取り組んでいる。具体的な取組としては、小学校4、5、6年生を対象として、本人が朝食摂取の状況を記入し、栄養のバランスを振り返ることができる「朝食いきいきシート」の活用や、中学生を対象に、県産品を用いた学校給食の献立を募集する「学校給食レシピコンクール」への参加がある。また、家庭や保護者に対しては、「学校給食フェア」の開催や、福岡県PTA連合会と連携をした「早寝・早起き・朝ごはん県民運動」により、子どもと保護者が共に食の重要性を認識できるような取組を進めてきた。今後とも、次代を担う子供たちの望ましい食習慣の形成のため、家庭やPTA、JAなどの関係団体、市町村との連携を強化して、食育を推進してまいる。
子ども食堂等は食育も含め、子どもの健全な心身の発育に寄与するのみならず、子どもを中心とした地域コミュニティーの健全性を確保するための重要なツールの一つでもあると認識をしている。したがって、県として子ども食堂等をしっかり掌握をして、指導することが必要である。市町村や地域の関係団体との連携をより強化し、現状把握と適切な指導、支援に御尽力を心よりお願いしたい。