2021年6月定例会

全議会会議録(県議会のHP)


緑友会

 

「コロナ禍における文化問題」新型コロナウイルスの感染拡大によって、文化芸術の分野においては、関係団体が経営危機につながるおそれがあり、さらにはアーティストが発表する場を失われていることから、文化の多様性が失われ、若い才能が育たなくなり、ひいては将来の文化の衰退につながる問題だと考える。文化芸術活動の継続に向け、現状に対する認識と具体的な支援策についての考えは?

 

服部知事

A.服部知事

一昨年から昨年にかけて、音楽、演劇などの公演に係る入場料総額は七割以上が失われたと言われることから、入場料収入を中心に事業を維持してきた多くの文化芸術関係者の経営環境は厳しい状況にある。県では、国の月次支援金と相まって福岡県中小企業者等月次支援金により、文化芸術活動を行う個人事業者やNPO法人に対しても支援を行うこととした。また、文化芸術関係者も利用可能な保証料ゼロの緊急経済対策資金により資金繰りを支援している。加えて第三次補正予算では、動画による公演の収録、配信、感染症防止に対応した公演や展覧会の実施など、文化芸術活動の継続に必要な経費に対する助成制度が創設された。今後も文化芸術関係者に対し、こういった各種支援制度を分かりやすく周知し、有効活用していただくことで活動の継続が図られるよう努めてまいる。

 

 

 

 

緑友会

「コロナ感染者の自殺」福岡県を含め、国内では、新型コロナウイルスに感染した方が苦悩の末、自殺に至った事案がある。こうした最悪の事態を招かないためにも、コロナ感染者やその家族の人権に対する配慮は重要なことで、真剣に取り組む必要がある。コロナ感染者の自殺について、知事の率直な見解は? また、コロナを原因とした自殺対策の取組について如何に考えているのか?

 

服部知事
A.服部知事
感染したことを思い悩んだ方が自ら命を絶たれたことは誠に残念であり、大変重く受け止めている。感染は誰のせいでもなく、自死に追い込まれてしまった御本人の苦しみ、御家族や周りの方々の大きな悲しみを思うと、心が痛むばかりである。
県では、自宅療養中の方に対して保健所が毎日体調の確認を行っている。必要に応じ、宿泊療養施設に入所していただき、医師や看護師が、精神保健福祉センターの精神科医につなげたり、入院の調整を行うなど適切な対応を図っている。また、検査結果をお待ちの方や陽性が判明した方に配付をしているチラシに、感染は誰のせいでもないことや、「ふくおか自殺予防ホットライン」の電話番号を記載するとともに、保健所や診療・検査医療機関を通じ、自宅で療養される方にもお渡しをしている。こうした取組により、自宅療養中の方だけでなく陽性となった全ての方が、感染したことを思い悩み、自殺に追い込まれるようなことのないよう努めてまいる。

 

 

 

緑友会

「児童生徒の感染状況」児童生徒の新型コロナの感染状況は?

 

 

A.(教育長)

児童生徒の昨年の、新型コロナの感染状況については、感染が判明した公立、私立学校の児童生徒数は、小学校では118名、中学校では719名、高校では138名、特別支援学校では12名の計347名となっている。本年1月から5月までの5か月間の状況については、現在集計し、精査しているところだが、感染が判明した児童生徒数は計1,520名となっている。

 

 

 

 

 

緑友会

「感染した児童生徒への差別事例と人権への配慮」学校現場で感染の場合、感染した児童生徒へのいじめや差別が懸念されるが、そのような事例がこれまであったのか、またどのように対応したのか? その上で、教育委員会として、感染した児童生徒や家族が感染した児童生徒への人権への配慮、そしてその取組についてどの様にしているのか?

A.(教育長)

学校現場における新型コロナウイルス感染症に関するいじめや差別の事例については、毎月実態調査を実施している。これまで感染した児童生徒へのいじめや差別に該当する事例は確認されていない。しかし、引き続き教育、啓発に取り組む必要がある。このため県教育委員会では、新型コロナウイルス感染症に関する人権教育の取組への支援として、指導の留意点について周知するとともに、学習教材及び実践事例についての情報提供や教師用資料の配付等を行っている。また、いじめや差別の防止を徹底するよう管理職研修会などで指導を行っている。今後とも、いじめや差別の未然防止とともに、感染した児童生徒等の人権に十分配慮した対応がなされるよう、学校に対する支援に取り組んでまいる。

 

 

 

 

 

緑友会

「児童虐待防止に係る『福岡ルール』」本県ではここ数年、児童虐待での死亡事例が続いている。このような事例の再発防止のため、市町村と児童相談所が乳幼児健診を受けていない子供の安全を確認し、役割分担を明確にするルールが「福岡ルール」として提言された。この福岡ルールとは具体的にどのようなものなのか?

服部知事

A.服部知事

市町村による家庭訪問から児童相談所による子供の安全確認、保護に至るまでの手順を定めたものが福岡ルールである。具体的には、定期的な乳幼児健診が未受診となった場合、市町村の保健師が約一か月の間に三回家庭訪問を行い、子供の状況を確認する。それでも子供に会えない場合、市町村は、虐待のおそれがあるとして児童相談所に通告をし、その後は児童相談所が主体となって家庭訪問や立入調査等をおこなって、子供の状況に応じては保護を行う。この福岡ルールにより、児童相談所と市町村それぞれの役割や責任を明確化し、連携の強化を図ってまいる。

 

 

 

 

 

緑友会

本年5月の「児童虐待事例検証報告書」では、児童相談所と市町村が緊急性の認識や虐待リスクを共有できるよう、緊急度アセスメントシートや子供の安全確認チェックリストの活用を求めている。今後、二度と痛ましい事件を起こさないよう、そのためには児童相談所と市町村の連携が何より重要である。県ではどのようにしてこの取組の実施を市町村に促し、再発防止につなげていくのか、知事の考えは?

服部知事

A.服部知事

県では、児童相談所の管轄区域ごとに市町村の要保護児童対策地域協議会を担当する課長を集め、福岡ルール等の作成の経緯とか、その趣旨を説明するとともに、使用方法に係るマニュアルを示し、活用していただくよう強く要請を行った。今後、児童相談所の職員と、要保護児童対策地域協議会で中心的な役割を担う市町村職員が、合同で具体的な事例を使った研修を実施してまいる。こうした取組を毎年継続して実施することにより、児童相談所及び市町村の対応力の強化を図り、虐待を見逃さず、虐待から子供を守ってまいる。

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