2020.12.8
それでは、質問に入ります。まず、県財政についてであります。令和三年度の予算編成時期に当たり、県知事の基本的な財政運営についてお尋ねいたします。
本年度は、度重なる豪雨対策及び新型コロナウイルス感染症対策、経済対策などにより、前回の九月議会では、一般会計で補正を含め二兆二千二百七億円余の予算となっています。当初予算は、例年一兆八千億程度の予算計上としていましたが、コロナ禍の厳しい経済状況の中、個人県民税、法人二税及び地方消費税、宿泊税等の県税について、来年度の歳入は大変厳しい状況になると見込まれます。不足する財源の確保は容易ではないと考えられますが、来年度は、福岡県財政改革プランに沿った予算編成をされるのか、基本的な考えをお伺いします。
また、豪雨、新型コロナウイルス感染症対策などにより大幅な県債の発行をすることから、通常債残高の圧縮がますます厳しい状態になることについて、知事の所見を伺います。
その上で、特にコロナ禍における経済を下支えする対策については、重要な知事の政治判断と考えますが、財政の健全化と、さらなる経済発展の両立を図るため、めり張りの利いた施策が大事であります。来年度の予算編成に当たり、どのようにして県民に対して効果的な予算を組まれるお考えなのか、知事の御所見を伺います。
次に、地方自治の在り方について伺います。全国的にも注目を集めた、いわゆる大阪都構想住民投票は、我々地方自治に携わる者にとって大きな命題を投げかけました。そこで、以下知事に地方自治の在り方について伺います。
まず、大阪都構想で問われた広域自治体と基礎自治体との関係、中でも政令市との関係の在り方について伺います。まず、知事は、広域自治体と基礎自治体との関係はどうあるべきとお考えですか、お答えください。
次に、政令市との関係について伺います。政令指定都市、略して政令市は、地方自治法第二百五十二条の十九に規定された事務の一部または全部につき、都道府県と同様の権限を持つとされています。そうすると、県の中に政令市がある場合、かなりの範囲の事務は政令市が行うことになります。本県では約半数が政令市民で、二人に一人が、本来の都道府県事務と異なる形で住民サービスを受けています。ここに、都道府県の役割とはという問いが生じてきます。その点お答えください。
そして、知事は、この政令市制度は今後も続くべき制度とお考えでしょうか。私は、やはり都道府県の中に別の都道府県があるかのような制度は、今から六十四年前、当時の時代の要請があったにせよ、過渡的なものと思わざるを得ません。そこで、今後両者の関係がいかにあるべきか、県民の幸福実現を担うべき知事に思いを伺います。
次に、関連して、高島福岡市長、北橋北九州市長も名を連ねる指定都市市長会が、先般提言を出した特別自治市について、知事の認識と、県知事としてこの制度に対する見解を伺います。
また、今後の地方自治の在り方について伺います。知事は、今後二十年、三十年先を見据えた場合、我が国における地方自治はどうあるべきとお考えでしょうか。特に、現在知事が担う広域自治はどうあるべきでしょうか。基礎自治体への権限移譲が進む中、広域自治体の役割はどこにあるのか、ビジョンをお示しください。
そして、最後に道州制について伺います。広域自治体が、今後進むべき方向性の一つとして、我々はより広域の行政を担う自治体を目指すべきと考えます。つまり九州全体の成長戦略を描いて、初めて福岡県に住む人々の幸福も目指せると思います。
そこで知事に伺います。知事は、道州制導入についてどうお考えなのか、見解をお答えください。
次に、九月に発足した菅新政権の取り組むデジタル化について伺います。菅総理は、就任後矢継ぎ早に様々な施策を打ち出し、スピード感を持って取組を進めています。中でも、河野行革担当大臣や平井デジタル担当大臣が取り組む行政改革、デジタル化は、本県にとっても大いに影響がありますので、以下伺います。
まず、知事は、菅政権が取り組むデジタル化、行政改革について、行政組織の長としてどのように受け止めていますか。
次に、県庁自体のデジタル化、改革について伺います。これまで県庁ではデジタル化をどのような分野で、どう進めてきたのでしょうか。成果と今後についてお答えください。
また、河野大臣が行革のシンボルとしている脱判こについても、併せて伺います。県庁での判こ見直し作業は行われているのでしょうか。そうであれば、従来どれくらいの文書で判こが必要であり、見直しによってどうなったのか、維持した場合は、その理由についてもお答えください。
次に、県内市町村のデジタル化、そして脱判こについて、現状、そして推進に対する支援をお聞かせください。併せて県内中小企業のデジタル化の取組に対する今後の支援についても伺います。
次に、国際金融機能の誘致についてお尋ねいたします。九月二十九日、国際金融機能を誘致する組織として、チーム福岡を発足させました。七社会や九州大学など福岡を代表する団体などが参加し、国際金融都市を目指すという目的の下で、会長には九州経済連合会の麻生泰会長、副会長には小川洋福岡県知事、高島宗一郎福岡市長が就任されました。本県でも、十月二十一日には、国際金融機能誘致に係る勉強会を開催しましたが、東京や大阪も、政財界を挙げた誘致に本腰を入れ、東京都は海外金融機関などの誘致に向けた準備会合を開催していますし、大阪府も大阪、神戸で金融都市構想を進めるSBIホールディングスと連携し、政府への働きかけを強めています。政府も受入れ環境を整えるため、優秀な金融人材や投資マネーを呼び込んで市場の活性化につなげる狙いから、減税措置や在留資格の特例制度を検討するなどとしていますが、人口減などを背景に経済成長の見込みにくい日本に、拠点や人材を呼び込むのは容易ではないという点や、外資系が日本に進出するためには、英語で居住手続をする難しさなど、実現には生活環境の整備など課題も多いと聞いています。
そこで知事にお尋ねします。東京一極から地方へと叫ばれる中、福岡県は情報、空港、港湾の三つのポートを有し、アジアに一番近いというポテンシャルもあります。知事は、福岡県の強みをどのように考え、どのように生かし、国際金融機能を誘致されようとしているのか、御所見をお聞かせください。
次に、脱炭素社会の実現についてお尋ねします。このたび菅総理は所信表明演説で、我が国は二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち二〇五〇年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すと宣言しました。また省エネを徹底し、再生可能エネルギーを最大限導入し、石炭火力発電に対する政策を抜本的に転換するとも発言しました。この菅総理の発言を受け、経済産業省では温室効果ガスの八割を占めるエネルギー分野の取組が重要であり、再エネの最大限導入をはじめとして、水素や蓄電池、洋上風力活用のほか、カーボンリサイクルを重要分野と位置づけ、実行計画を年内にまとめるとの報道がありました。さらに地球温暖化対策の計画やエネルギーミックスを含むエネルギー基本計画などの見直しも進められています。また、先週十二月二日、九州の自立を考える会でも洋上風力発電を導入する意義について講演があり、その中で、我が県の響灘沖の優位性についても触れられています。これまでの八〇%削減の目標を上回り、排出ゼロにするためには、これまで以上に国全体が一丸となって取り組んでいく必要があると考えますが、菅総理が二〇五〇年排出ゼロを表明したことについて、知事はどのように受け止められたのか、また十二月一日現在で、全国では二十四の都道府県が、市町村も含めれば百七十八の自治体が排出ゼロ宣言をしています。本県でもゼロ宣言をした上で、脱炭素社会を目指すべきだと考えますが、知事の認識をお伺いします。
次に、農林水産業の振興について質問します。国が、十一月五日に公表した令和三年産米の全国の適正生産量は六百九十三万トンと、本年産に比べ約三十万トンの減少で、米価が大幅に下落した平成二十六年産に次ぐ減産幅となっております。人口減少や高齢化の進展、新型コロナウイルス感染症の拡大により消費が低迷し、民間在庫が適正水準を大きく超えていることが要因のようです。一方、五百十一万人の県民を抱える本県では、そもそも県産米だけで県民が必要とする米の全てを賄える状況にない上、二年連続の不作により、現場では売る米が足りないといった声も聞きます。このような情勢の中、来年度本県では、米も含め水田農業の振興にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
さて、新型コロナウイルス感染拡大により影響を受けた農林水産業の中でも、とりわけ園芸農業の花卉については、需要低下により価格が下落し、生産者の経営は厳しい状態となりました。県では、イベントの自粛等で販売が低迷した花卉について、需要を創出するため、県産花き消費促進緊急支援事業を打ち出し、支援を行っていますが、県産花卉における現在の新型コロナウイルス感染症の影響と支援策の実施状況について伺います。
次に、鳥インフルエンザへの対応についてであります。十一月二十五日、宗像市の肉用鶏農場において、県内では初となる高病原性鳥インフルエンザが発生しました。これ以前にも、既に香川県で発生していたわけですが、本県の発生以降、兵庫県、宮崎県など続発し、まさに猛威を振るっています。本県での防疫措置は、二十八日早朝無事完了したとのことであります。この防疫作業に従事された県職員、宗像市、農協、自衛隊をはじめ関係の皆様の御尽力に心より感謝を申し上げます。ただ、鳥インフルエンザの発生により、養鶏農家の経営は大打撃を受けており、周辺の農場にも少なからず影響が及んでいると聞いています。発生農場での防疫措置は完了したものの、これ以上の感染拡大は何としても防がなければなりません。
そこで、県として今後どう対応していくのか、改めてお尋ねいたします。
この項の最後に、県産農林水産物の輸出拡大について伺います。今年十月、菅総理は初めての外遊先としてベトナムを訪問され、フック首相と会談されました。首脳会談では、農業分野において日本産温州ミカンの同国への輸出解禁の早期実現を目指すことで一致したとのことです。ベトナムへの輸出については、今後、障壁となる検疫や残留農薬基準等の条件が具体的に示されることになると思いますが、輸出が解禁された際には、本県の高品質の温州ミカンを他県に先駆け輸出できるよう、今後情報収集と必要な準備に努めていただきたいと考えております。本県は、温州ミカンをはじめ、あまおう、柿など多様な品目を生産しており、輸出を拡大するための大きなポテンシャルを有していると思います。
そこで知事にお聞きします。今後本県の農林水産物の輸出拡大をどのように進めていくのかお答えください。
次に、真冬を迎える中での新型コロナ対策について伺います。冬が深まるにつれ、感染者数が増加しております。これから真冬を迎える中で、状況は予断を許しません。まず、現在の状況、そして真冬期に入る中での今後の見通しについてお答えください。
次に、九月議会の我が会派代表質問でも尋ねたインフルエンザとの重複対策と、その後の状況について伺います。これから年末年始を迎えます。例年であれば様々なイベントが催され、活気あふれる時期となるわけですが、今年はどうなるのでしょうか。大勢の人の流れができる状態になれば感染拡大も懸念され、頭の痛いところです。知事としては、早い時期に県民に対し方向性を示すべきです。県として年末年始対策をどう考えているのかお聞かせください。
また、真冬期を迎えるに当たって様々な課題に直面していますが、換気対策に伴う本県の措置について伺います。飲食店、学校、保育所など、至るところで三密対策で小まめな換気、中にはドアを開け放っているところもあります。感染対策の徹底には本当に敬意を表するところでありますが、換気により暖房費用が大変なことになっているという声を聞きます。徹底した換気を求めているのは県のガイドラインですから、感染拡大防止に協力していただいている事業者に対し、県として相応の措置を取るべきではないかと考えますが、知事の考えをお聞かせください。
この項の終わりに、ワクチン開発の見通しについてお聞かせください。また、開発中のワクチンの中には、マイナス八十度で保管できる場所の確保が必要なものもあるわけですが、県としてワクチン保管場所についてどう準備しているのかお尋ねいたします。
次に、新型コロナウイルス感染症の影響によって厳しくなっていく雇用情勢についてお尋ねいたします。新型コロナウイルス感染症の影響で、雇用は厳しい状態が続いています。総務省統計局が十二月一日に発表した十月分の労働力調査では、全国の完全失業率が三・一%と、昨年同月より〇・七ポイント上昇しています。特にパート、アルバイト、契約社員ら非正規雇用の減少が見られます。また、新型コロナウイルス感染拡大で、メガバンクが週休三、四日制の導入を発表したり、航空会社の事業構造改革として、自動車メーカーへの出向や採用凍結などで人員圧縮を図るなど、大手企業の雇用の悪化が一段と鮮明になってきました。さらに、大手百貨店の閉店や訪日外国人客の需要を失ったドラッグストアや外出自粛が直撃した飲食店などの閉店も相次いでいます。
本県の完全失業率は、七月から九月平均で三・一%となり、完全失業者は八万二千人となっています。また、十月は有効求人倍率も一・〇倍と、本年一月と比べると〇・四五ポイント低下し、二〇一四年以来約六年ぶりの低水準となっています。さらに、景気の先行指標と言われる新規求人は、十月には前年同月比で二三・四%減っています。減少幅では、宿泊、飲食サービス業の三六・〇%を筆頭に、卸売業、小売業が三五・九%と大きく、製造業、生活関連サービス、娯楽業など、幅広い産業で大きく落ち込んでいます。
そこで知事にお尋ねします。コロナ禍で雇用情勢が厳しさを増していく中、感染の終息が見通せないままだと、雇用不安は長期化します。失業した人が別の仕事を見つけられる仕組みを早急に整える必要があります。そのためには、厳しい情勢の中でも人材確保のニーズが高い分野へと、失業者がスムーズに移動できるような支援をするなど、失業者の早期再就職に向けた支援を、県としてしっかり進めるべきだと考えますが、知事の考えと具体的なプランをお聞かせください。
次に、自殺者対策についてお尋ねいたします。さきに述べたように、コロナ禍で雇用情勢が厳しさを増す中、全国での自殺者は前年同月と比べ、七月以降増加し始め、十月には三九・九%と大幅に増え、男女別では、男性は二一・三%の増、女性は八二・六%増となっています。また、先月二十五日、自殺者増とコロナ起因について、福岡大学など大学病院を持つ六つの大学が、その影響や関連を調べる聞き取り調査に乗り出したとの報道がありました。
そこで知事にお尋ねします。本県における自殺者の推移はどのような状況であるのか、その推移について、知事はどのように認識され、どのような対策をなされるのかお聞かせください。
また、最近の社会情勢を考えると、今後も自殺者が増加しかねない状況であります。労働や生活、医療、福祉、学校などの各部署が持てる情報を垣根なしに共有、連携して、自殺予防対策を強化すべきではないかと考えます。最近の自殺者の推移を踏まえ、県では今後どのように対応されていくのか、現在の取組も含め、具体的な取組をお聞かせください。
次に、コロナ禍における認知症対策についてお伺いします。新型コロナウイルス感染症の蔓延以来、重症化リスクの高い高齢者には外出自粛が続き、高齢者施設に入所されている高齢者には、家族が面会できない状況となっております。今年の年末年始も、実家への帰省を控える方が多いとの報道もなされています。こうした中、家族との面会もままならない状況で、高齢者の認知症が進行しているという指摘が有識者からなされています。コロナ禍における高齢者認知症の進行をどう考えているのか、まず、知事の見解をお尋ねします。
その上で、本県の取組についてお伺いします。コロナ禍では、地域高齢者福祉の第一線を担う民生委員さんも、家庭訪問を自粛。今回の国勢調査でも、調査員が対面での訪問を必ずしも義務化していないなど、高齢者への接触には慎重になっています。こうした状況の中、本県としてどのような取組を実施していくのかお尋ねいたします。
最後に、認知症対策には地域の現場を知る市町村との連携が不可欠です。コロナ禍における認知症対策の市町村への支援について、知事の御所見をお聞かせください。
次に、大牟田リサイクル発電事業についてお尋ねいたします。この事業は、第三セクターである大牟田リサイクル発電が事業主体となり、平成十四年十二月からRDF発電事業を実施してきましたが、既に令和五年三月に終了することが決定されております。しかしながら、当事業の終了に当たっては、多額になることが想定されている撤去費の負担や、令和五年四月以降の事業に参加する県内の五つの一部事務組合と二町のごみの適正処理などの課題があり、我が会派は、昨年度の二月定例県議会の代表質問でも取り上げたところであります。質問に対し、知事から、撤去費用の詳細な見積りが明らかとなる今年度、費用負担の協議を行っていくとともに、令和五年以降の組合のごみ処理に支障が生ずることがないよう支援を行っていく旨の答弁をいただいていたところです。ところが、去る十月、JFEエンジニアリングから、令和五年度以降、大牟田リサイクル発電事業を継承し、実施したい旨の提案があったと報道がなされました。既に事業に参加する五つの事務組合においては、同社による提案の受入れ可否や、同社への事業継承後のRDFの処理委託について議論が開始されたところであり、今後は、県も含め関係者協議も行われていくと聞いております。報道によると、この提案は、組合による撤去費の追加負担を求めないなどの条件であるとのことですが、今回の同社からの実際の提案内容はどのようなものであるのでしょうか、知事にお尋ねします。
次に、今回の提案は、事業に参加する五つの一部事務組合にとっては、検討中の令和五年度以降のごみ処理先として、条件によっては有力な候補になり得るものと考えられます。このため提案についてメリット、デメリットを十分に見極め、その受入れ可否を早期に決定すべきものと考えますが、県は、提案の内容をどのように評価しているのか、そして今後どのように対応しようとしているのか、知事に伺います。
また、JFEエンジニアリングによる事業継承が決定し、令和五年度から令和九年度までの五年間、引き続き大牟田リサイクル発電にRDFを処理委託することとなったとしても、一部事務組合にとっては、事業終了後のごみ処理について、新たな処理施設の建設やRDFの処理委託先の確保などの対応をする必要があり、引き続き大きな課題として残ります。このためRDF発電事業終了後の一部事務組合のごみ処理についても、県として継続して支援を行うことが必要であると考えますが、知事の見解を伺います。
次に、商工問題についてお伺いします。新型コロナウイルス感染拡大により、本県経済は深刻な影響を受け続けております。そこでまず、本県の現時点での新型コロナウイルス関連倒産数をお答えください。
また、今後年末年始を迎え、従来どおりの売上げ、利益が得られず、廃業を余儀なくされる事業者について、知事の見解をお聞かせください。
次に、令和二年七月豪雨からの復旧、復興を促進し、県経済の早期回復を強力に推進するため、新たに創設された福岡県なりわい再建支援補助金について伺います。新たな支援制度が創設され、支援のメニューが増えたことは評価できますが、その一方、本補助金は申請書類の作成、添付書類の整備など、特に高齢の小規模零細事業者にとってはハードルが高く、申請自体を断念した事業者の方もおられます。そこで、この福岡県なりわい再建支援補助金の現在の申請状況並びに交付決定状況をお聞かせください。
また、補助制度の採択要件の緩和や、申請書類の簡素化、書類作成に当たっての事業者に寄り添ったサポートが必要と感じますが、知事の見解をお聞かせください。
次に、本県は、毎年のように水害が発生し、複数年にわたり多重の被害に遭い、保険料の増額や重複債務に苦しむ三重苦の事業者に対し、永久劣後ローンや利子補給といった新たな支援制度の創設が必要と考えますが、知事の見解をお尋ねします。
この項の最後に、今後も大規模自然災害が発生するという前提で、災害からの復旧に対する支援体制を構築することが重要と考えますが、知事の所見を伺います。
次に、コロナ禍における児童生徒の心身や不登校への対応について、教育長にお尋ねいたします。学校再開後の状況を見ると、学校行事の縮小や各種大会の中止など、様々な活動に制約が出ており、年度初めの臨時休業の遅れを取り戻すための授業の実施が継続して行われている状況であります。さきの決算特別委員会において、新型コロナウイルス感染症への不安や、家族に病弱な者がいるなどを理由として、三十日以上不登校となっている児童生徒数は、七月末時点で中学生八名のみということでしたが、引き続き注意して対応していかなければならないと考えるところでもあります。また、文部科学省が十月に公表した令和元年度の不登校児童生徒数は、ここ数年増加傾向が止まらない状況であり、今年の新型コロナウイルス感染症の影響を考えると、今後もさらに増えることが予想されます。このことから、よりきめ細かな対策が必要であるとともに、オンライン教育の活用など、不登校の子供たちに十分な学習支援を行っていくアプローチも重要であると考えます。
そこで、県教育委員会として、新型コロナウイルス感染症をめぐる不安への児童生徒への心身のサポートについては、どのように対応していくのか、また今後も増加すると考えられる不登校児童生徒への対応及び福岡県立大学不登校・ひきこもりサポートセンターとの連携について、どのように考えているのかお示しください。
次に、高校入試の実施に当たっての対応及び就職問題について伺います。まず、高校入試についてであります。高校入試の実施に当たっては、試験会場での感染リスクを減らす取組や、志願者が感染して受験できなくなった場合の救済措置など特別な配慮が求められると考えますが、どのように対応するのか、具体的にお示しください。
次に、高校生の就職問題について、今年度の高校卒業予定者の就職活動は、職場訪問やインターンシップの縮小や中止、企業の採用選考開始日の一か月後ろ倒し、さらに求人数の大幅減少などにより、卒業までに就職内定を得られるのか心配しているという高校生や保護者の声が多く聞かれます。このような状況は、新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、来年度以降も続くことが予想されます。
そこで、コロナ禍における高校生の就職支援にどのように取り組むのか、現在の課題認識と今後の対応について伺います。
最後に、警察問題について警察本部長に伺います。新型コロナウイルス対策としては、国、県などが様々な経済支援策を打ち出しています。ところが、一部にはこれらの制度を悪用した不正受給を行う者もおり、ニュースでもその実態が報じられるなど社会問題になっています。補助金不正受給は犯罪行為に当たります。
そこでまず、本県における新型コロナウイルス対策関連の補助金等不正受給の現状についてお答えください。
次に、この不正受給問題、一部には暴力団がその資金源に悪用しているとの報道があります。国民の血税が暴力団に流れることを絶対に阻止し、暴力団を徹底的に締め出さなければなりません。
そこで伺います。一部報道では暴力団の関与も指摘される中、新型コロナウイルス対策関連の補助金等不正受給問題に関し、県警察としてどのように取り組んでいくのか、本部長の強い決意をお聞かせください。
いずれも県として重要な課題であります。知事、教育長、警察本部長の誠意ある明快な答弁を期待しまして、緑友会としての代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
A. お答えを申し上げます。
来年度の予算編成でございますが、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う県税の大幅減収は、来年度にも及ぶことが見込まれます。加えて通常債の残高も豪雨災害復旧、復興対策、減収補填債の発行により増加傾向にございまして、大変厳しい財政状況だと認識をしているところであります。今は、県民の皆様の命と健康を守るための感染症対策、そして社会経済活動のレベルを上げるための取組、さらには災害からの復旧、復興、これが急務となっているところであります。これらにしっかり取り組むことによりまして、経済の立て直し、活性化を図っていき、税源の涵養につなげていきたいと、このように考えております。このため、来年度の当初予算編成に当たりましては、新型コロナウイルス感染防止対策を講じつつ、地域経済の力強い回復に全力で取り組むとともに、豪雨災害からの復旧、復興、これを着実に進めることであります。そして、県民幸福度日本一の福岡県を目指し、福岡県総合計画、福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略の目標を具体化させるための施策に取り組んでいく、こういう考え方でおります。
経済政策の立案におきましては、本県の今後の経済の動向を注視いたしますとともに、国の追加の経済対策、地方財政対策などにも適切に対応しながら、実効性のある経済、雇用対策を取りまとめ、経済の立て直しにつなげていきたいと考えております。
併せて財政改革プランに沿って、歳入歳出両面からの不断の改革を続けていき、目標であります通常債の発行額と残高の減少に、引き続き取り組んでいき、限られた財源というものを重点的に配分をしていきたいと考えております。
次に、広域自治体と基礎自治体との関係でございます。広域自治体であります都道府県には産業振興、雇用対策など広域的な事務への対応に加えまして、高度な専門性を必要とする事務に関する補完機能、そして広域調整機能というものが求められるところであります。人口減少、少子、高齢化が進展していく中で、基礎自治体であります市町村が持続可能な形で、その行政サービスを提供していくことが続けられるよう、その自主性、自立性を尊重しながら、県が積極的にこの市町村業務の補完機能、そして広域調整機能を果たしていくことが必要であると考えております。
県と政令市との関係でございます。北九州、福岡両政令市は、我が福岡県の発展にとりまして欠くことのできない二つの大きなエンジンであります。一方で、両政令市は都市の発展に必要な人材、水などの資源を周辺市町村から提供、供給をされているところであります。両政令市の活力をもって、バランスよく県全域を発展させながら、県全域の発展を、今度は両政令市のさらなる成長につなげていく、そういう広域調整機能を果たしていくことが、私ども県の役割だというふうに考えております。
政令市につきましては、大都市行政の合理的、効率的な執行と市民の福祉向上を図るため、事務配分、知事の関与、行政組織、財政の各面において、他の一般市とは異なる特例というものが定められております。そうした制度の下で、都市基盤の整備、あるいは専門的な保健福祉サービスの提供が可能となるなど一定の役割を、この政令市の制度は果たしてきたと理解をしております。これまで、本県とこの両政令市との間では、暴力団対策、グリーンアジア国際戦略総合特区、宿泊税、セントラルパーク構想といった個別具体的な案件ごとに連携、協力をしてまいりました。このように県と政令市とは共通する課題について知恵を出し合い、力を合わせていく関係であるべきだというふうに考えております。
特別自治市についてお尋ねがございました。特別自治市というのは、平成二十三年でございますが、指定都市市長会が新たな大都市制度の一つとして提案をしたものでございまして、広域自治体と基礎自治体の二層制の、今の自治構造というものを廃止をし、広域自治体に包含されない特別自治市を創設しようとするものであります。住民に身近なサービスというのは、より身近なところで提供されるべきである、これが基本だと考えます。全国知事会におきましては、この特別自治市につきまして、基礎自治体が大規模化することによって、住民との距離が離れ、その機能が十分果たせないのではないか、また道府県財源の低下に伴いまして周辺市町村への行政サービスが低下するおそれがあるのではないか、そういった指摘をしているところであります。私は、国の出先機関をはじめ、国から地方への事務、権限の移譲など、地方分権改革というものを着実に進めていき、そのプロセスの中で、この大都市の在り方、これについても改めて議論をすべきだと考えております。
今後の地方自治の在り方についてでございます。近年、大規模災害の対応、産業施策、観光施策、地域づくりなど、都道府県の区域を越えて広がる共通の行政課題に対し、都道府県が連携して対応することが多くなってございます。九州地方知事会では、災害時の応援協定を締結をし、大規模災害時の被災県への効果的な応援を行っているところであります。新型コロナウイルス感染症対応におきましても、PCR検査の広域連携、重症患者の治療のためのECMOの広域利用にも取り組んでいるところであります。また、経済界の代表を交えた九州地域戦略会議におきましては、官民が一体となって、この九州の成長発展を目指した戦略的なプロジェクトを企画、実行しているところであります。このような都道府県域を越えた活動を着実に積み重ねることによって、併せて国と地方の役割分担を見直し、地方分権改革というものを着実に進めていきながら、その究極の姿として道州制を目指すべきであると、私は考えているところであります。
国のデジタル化、行政改革の取組についてお尋ねがございました。新型コロナウイルス感染症対策の実施を通じまして、各種給付金の受給申請手続、支給作業の一部に遅れや混乱が生じるなど、特に行政分野におけるデジタル化、オンライン化の遅れというものが明らかになりました。国におきましては、強靱なデジタル社会の実現に向けた取組を加速するために、司令塔となりますデジタル庁の創設に向けた準備と併せ、デジタル化に当たって支障となる行政手続における書面規制、押印、対面規制の見直しなどの行政改革というものも進められているところであります。今後、住民の利便性の向上、そして行政の効率化のために、国と地方が一体となってデジタル化、行政改革を進めていく必要があると考えています。
県庁のデジタル化でございます。これまで電子申請、電子入札など行政手続や税務、生活保護など県民サービスに関する事務、庶務、人事給与など内部の事務処理など、多くの業務のデジタル化というものを行ってまいりました。さらに、昨年の三月策定いたしました福岡県官民データ活用推進計画に基づきまして、行政事務の効率化や住民及び事業者の利便性の向上のために、行政情報のオープンデータ化などを進めているところであります。今年度は、新たに定型作業を自動化するソフトウエア型ロボットでありますRPA、住民からのオンラインでの問合せに対しAIが自動回答を行いますAIチャットボットの導入を進めておりまして、さらに新型コロナウイルス感染症拡大を受け、ウェブ会議システムを全所属に導入するほか、在宅勤務が可能なモバイル端末を千台に増強したところであります。国は、自治体のデジタル化を加速するため、その取組の指針となります自治体DX推進計画を年内に策定することといたしておりまして、この国の指針も踏まえながら、福岡県の行政のさらなるデジタル化を進めてまいります。
次に、押印の見直しについてでございます。本県では、国の法令等で規定されているもの、合理的な理由があるものを除いて、原則として押印の義務づけを廃止することといたしております。現在、外部からの手続、庁内手続の全てを対象といたしまして、全庁的にその見直し作業を行っているところであります。件数につきましては精査中ではありますが、現時点では押印を義務づけている手続は、知事部局において約六千件あり、そのうち五千件について義務づけを廃止できる見込みでございます、残りの千件については、対応を検討中のもの、または現時点での見直しが困難なものとされているところであります。
現時点で見直しが困難なものとしては、例えば、国の法令等で規定されているもののほか、合理的な理由があるものとして、文書の真正性を担保するため実印の押印を求めているもの、金融機関に提出する書類において口座の届出印が求められているもの、そういったものがあるわけであります。国の法令等で規定されているものにつきましては、現在国において順次その見直しが進められておりまして、今後さらにその廃止件数の増加が見込まれるところであります。県におきましても、対応が未定なものについて引き続き検討を進めていき、県の条例、規則の改正を要しないものは年内に、改正を要するものは年度内に、その見直しができるよう取組を進めてまいります。
次に、県内市町村のデジタル化と脱判こについてであります。県内の全市町村においては、住民情報、税務、国保、年金、福祉、全ての基幹業務がデジタル化をされております。県は、県と市町村で構成する、ふくおか電子自治体共同運営協議会を通じまして、電子申請や電子入札などのシステムを共同で調達をし、利用することによりまして、それぞれの市町村の負担軽減を図ってまいりました。
いわゆる脱判この取組でございますが、現在全ての市町村において、押印の義務づけ見直しに向けた検討が進められております。そのうち四市町が、既に申請書類等への押印の一部廃止を行っているところであります。今後とも、先ほど申し上げました協議会を通じ市町村のデジタル化を支援をするとともに、押印の義務づけ見直しに関する国の動向、あるいは私ども県の取組について市町村に対し情報を提供し、脱判この取組を後押ししていきたいと考えています。
県内中小企業のデジタル化の支援でございます。県におきましては、県内中小企業のデジタル化を図るため、商工会議所、商工会と連携いたしまして、IT関連セミナーの開催、またデジタル化に活用できるIT導入補助金等の申請の支援を行っております。また、電子商取引やIoT導入など専門的な知識が必要な場合には、専門家派遣を行っております中小企業振興センター、アドバイザーが現場でIoT導入等を支援する中小企業生産性向上支援センター、多くのIT関係の相談員を有しておりますよろず支援拠点、これら三つの機関と連携して支援を行っているところであります。さらに、新たに福岡県工業技術センターに設計、開発、生産現場におけるデジタル化に必要な機器を整備をいたしまして、物づくり中小企業のデジタル化、その支援に取り組むことといたしております。今後とも、こうした取組を通じまして、県内中小企業のデジタル化を進めてまいります。
次に、国際金融機能の誘致についてお尋ねがございました。福岡県は、西日本屈指の人口と経済規模を有しております。アジアの主要都市を結ぶ国際航空などのネットワークもあります。多様な産業、研究機関、教育機関の集積もあります。自然災害や地震などのリスク、これが少ないこと、また良好な生活環境、こういった強みがあると、このように考えております。こうした福岡県の強みというものを国際的な金融機関や金融人材に広く知ってもらうために、チーム福岡を中心に産学官一体となってプロモーションを行ってまいります。また、県の香港事務所や各国にあります福岡県人会が有する強固なネットワーク、これも生かして情報収集をしながら関係者に働きかけるとともに、医療、教育の充実、英語力の強化など、受入れ環境の整備についても取組を進めていき、国際金融機能の誘致につなげてまいります。
二〇五〇年排出ゼロ表明に対する宣言をした上で、脱炭素社会を目指すことについてお尋ねがありました。菅総理が宣言をされました二〇五〇年温室効果ガス排出ゼロ、これは日本が脱炭素社会の実現に取り組んでいくという決意を国の内外に向けて発信したものでありまして、地球温暖化対策を一層後押しをするものであると、このように受け止めています。総理の宣言を受けまして、現在国の各省庁におきましては、排出ゼロに向けた様々な施策の検討が進んでいるところであります。また、来年十一月に開催されますCOP、気候変動枠組み条約締約国会議、これに向けまして、国の地球温暖化対策計画の見直しの議論というものが加速していくことと思われます。これらの国の方針や施策の検討内容を踏まえまして、我が福岡県におきましては、来年度、新たな削減目標を定めるとともに、目標達成に向けた施策を盛り込んだ地球温暖化対策実行計画の見直しを行っていきたいと考えております。この見直しをした後の実行計画を着実に推進することによりまして、脱炭素社会の実現というものを目指してまいります。
次に、水田農業の振興であります。本県の水田農業を維持発展させていくためには、高齢化を踏まえ、安定した担い手の確保を図るとともに、需要に応じた米の生産、麦や大豆等の生産の拡大によりまして、水田を有効に活用し、所得を確保していくことが必要であります。御指摘の米につきましては、全国の令和三年産米の減産が示されたところでありますけれども、本県は、御承知のとおり二年連続の不作の影響で、三年産米の生産の目安は据え置いたところであります。一方で、県内におきましても、他県産米との競争が非常に激化しております。このため、夢つくし、元気つくしにつきましては、学校給食への導入、テレビコマーシャルの実施、また実りつくしにつきましては外食、それから中食事業者への売り込みによりまして、県産米の消費の拡大に取り組んでいるところであります。さらに、麦や大豆につきましては、ラー麦を使用する新商品の開発支援によります需要の拡大、大豆の新品種の生産拡大に向けた現地での栽培技術の確立に取り組んでいるところであります。県といたしましては、こうした取組に加えまして、農地中間管理事業を活用した担い手への農地の集積、生産コストの低減に効果の高いスマート農業機械の導入、そして園芸品目を取り入れた経営の複合化、それらについて支援を行うことによりまして、農家所得の確保を図り、水田農業の振興というものを進めてまいります。
新型コロナウイルス感染症の県産花卉への影響についてでございます。新型コロナウイルスの感染拡大を受けまして、イベントの自粛や規模の縮小によりまして、花の需要期であります、この三月から五月にかけて市場価格は一割から三割程度下落をいたしました。その後、輸入量の減少が続いておりますこと、家庭での利用の拡大が進み、市場価格は平年並みに近づいてきておりますが、葬儀やブライダルといった業務用の需要というものが回復し切れておりません。花卉の生産者の経営というものは、引き続き厳しい状況にあると、このように考えております。このため県におきましては、花卉の需要を創出するため、県庁のロビーで週替わりで県産の花を飾るとともに、花を飾っていただく県内の企業や市町村に対して、その経費を助成しているところであります。企業百社から申請がありまして、六月から十一月までに約六百か所において、その花が飾られたところであります。また、市町村の施設におきましては、四十五の市町村におきまして、約二百七十か所で花が飾られておりまして、地元産の花をPRをしているところであります。さらに、福岡県ウェブ物産展におきましても、ガーベラや鉢物のコチョウラン、季節の花などの販売を行っておりまして、これまでに約千七百件、七百万円を超える注文をいただいたところであります。県といたしましては、こうした取組を通じまして、県産花卉の利用がより一層促進され、花卉生産者が営農を継続できるよう支援を続けていきたいと考えております。
鳥インフルエンザの対応でございます。本県におきましては、十一月二十五日、遺伝子検査陽性の結果を受けまして、直ちに福岡県高病原性鳥インフルエンザ防疫対策本部を設置をするとともに、速やかに農場の防疫措置を実施し、御指摘がありましたとおり、二十八日早朝に防疫措置が完了したところであります。また、県内の全養鶏場に対しまして緊急消毒を命令し、消石灰を配付したところであります。今後は、この発生農家を支援するため、処分した家畜や飼料などの損失に応じた手当金の交付に向け、国へ速やかに申請を行います。また、移動制限の措置に伴う売上げ減少などを補填する県からの手当金につきましても、速やかにその交付手続を進めていきます。さらに、全ての養鶏場におきまして、野鳥の侵入を防止する防鳥用ネットの整備や鶏舎周辺の雑木の伐採などが徹底されますよう、速やかにこれらの事業を執行してまいります。また、今後の発生に備え、防護服やゴーグルなどの防疫作業に必要な資材について、今回使用分の早急な補充及び備蓄数量の拡大を進めてまいります。現在、国の防疫調査チームが感染経路の調査を実施しているところでありますが、現時点におきましては、感染経路はまだ不明となっております。このことから、こうしたあらゆる取組によりまして、これ以上感染が拡大しないよう予防措置を徹底していくとともに、迅速な初動防疫に向けて万全な体制の構築に努めてまいります。
県産農林水産物の輸出の拡大についてお尋ねがありました。県におきましては、これまで海外の量販店や日本食レストランにおける販売の促進フェアの開催、商談会への出展、バイヤーの産地への招聘、そして輸出先国の残留農薬基準等に対応した生産を行うための現地実証や生産の指導などに取り組んできたところであります。また、輸出解禁の情報収集に努め、新たに輸出が解禁される品目の取組を強化をしてきておりまして、産地と一体となって生産園地や選果梱包施設の登録などを進めていき、米国向けミカン、柿、またベトナム向けの梨を、これらについては、他県に先駆けて輸出をしたところであります。これと併せまして、現地において販売促進フェアも実施をしてきているところであります。
今年度は新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、渡航して行うプロモーション、あるいは対面式の商談というものが、実施が困難な状況にございます。このため輸出先国の状況に合わせまして、県の海外事務所や現地の輸入業者と連携をいたしましてフェアを開催するとともに、ウェブを活用した商談なども取り入れているところであります。県といたしましては、今後ともこうした幅広い取組を通じまして、より一層の輸出の拡大を図ってまいります。
次に、コロナ感染の現状と今後の見通しであります。十一月以降、全国的な新規感染者数の増加傾向が強まっていく中、本県の新規感染者数は、北海道、首都圏、関西圏等の感染拡大地域と比較をいたしますと、低水準で推移をしているところであります。また、入院または療養されている方は、十二月六日時点で三百八十七人、うち重症者、中等症者は四十一人となってございまして、前回の感染拡大期と比べますと、まだ少ない状況にございます。感染状況が今後どうなるか、これにつきましては、いまだコロナの特性が明らかでない中、明確にこれを見通すことは困難ではございますが、新規感染者数が五十人を超える日も増えてきております。今後の状況を警戒感を持って注視をしてまいりますとともに、感染再拡大に向けた注意喚起、これを続けていく必要があると考えております。
インフルエンザとの重複対策でございます。季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行に備えまして、発熱等の症状のおありの患者がかかりつけ医等、地域で身近な医療機関におきまして、季節性インフルエンザだけではなく、この新型コロナの診療、検査も受けられるよう、県医師会等の御協力をいただき、発熱患者等の診療、検査を行う医療機関を福岡県診療・検査医療機関として、現在一千二百五十七の医療機関を指定させていただいております。今後も随時この指定を行っていき、発熱患者等の診療、検査体制を強化をしてまいります。
年末年始の感染防止対策であります。年末年始は帰省や旅行など全国的な人の移動が集中をし、多くの人が集まる行事や忘年会、新年会といった会食の機会など、感染のリスクが高くなる場面が増えてまいります。県民の皆様にはマスク、手洗い、身体的距離、三密の回避など、基本的な感染防止対策の徹底に加えまして、混雑する時期や場所を避ける、会食の際の感染防止対策を徹底するといったことに特に留意をしていただく必要があると、このように考えております。このため帰省や旅行などで移動される際には、目的地の感染状況、その自治体からの呼びかけ、利用する施設の感染防止対策、これらについてよく確認をする。初詣は三が日にこだわることなく、時期をずらす。また、忘年会や新年会など会食の際には、感染防止ステッカーが貼ってある飲食店を利用する。会食における会話の際にはマスクの着用や大声を控えるなど、年末年始に向けた感染防止対策の徹底について、様々な機会を捉えて呼びかけてまいります。
次に、換気の徹底でございます。冬場は気温が下がり、換気が不十分となりがちであります。感染防止対策として適切な換気と適度な湿度の維持が重要であります。このため冬場におきましても換気扇などを使った常時換気、室温が下がらない範囲で常時窓を少し開けて外気を取り入れるといった工夫について、県のホームページで紹介をさせていただいております。新型コロナウイルス感染症は、その特性がいまだ明らかでないため、これまでの他の感染症よりも警戒をし、慎重に対応を進めていく必要があると思っております。このため県民の皆様には、マスク、手洗い、身体的距離、三密の回避など、新しい生活様式の実践、事業者の皆様には感染防止対策の徹底など、今までの社会生活になかった新しい負担をお願いをしているわけであります。こうしたことは、御自身のためでもあり、またお客様のため、また事業者御自身のためでもあります。これまで県民の皆様、事業者の皆様に御理解、御協力をいただいてまいりました。そのことについて改めて感謝を申し上げ、引き続き感染防止対策の取組をお願いをしたいと考えます。
新型コロナウイルスワクチンの見通しと保管場所でございます。現在、国内外でワクチンの開発が進められておりますが、現時点では、国内での薬事承認されたものはございません。このため、国はワクチン開発の基礎研究から薬事承認、生産に至る全過程の加速化を図るとともに、海外でワクチンが実用化された際には、国内に供給できるよう海外企業との間で契約や協議を進めており、令和三年前半までに全国民に提供できる数量を確保することを目指しています。現在開発中の製品には、超低温状態での運搬や保管が必要とされるものがございます。超低温冷凍庫等の整備など必要な対応につきましては、今後国のほうから示されることになってございます。県としましては、そういったものが示されたところで適切に対応させていただきます。
次に、コロナ離職者の人材不足分野への就職、それに対する支援でございます。新型コロナウイルス感染症の影響で、雇用情勢は全体として弱い動きとなってございます。こうした中にありましても、建設、福祉、農業といった分野では、引き続き人材不足の状況というものが見受けられるわけであります。そこで、コロナの影響で働く場を失われた方々の早期再就職が実現できるよう、年代別、対象別就職支援センターにおきまして、人材不足分野への転職の支援というものを強化してきたところであります。具体的に申し上げますと、求人開拓専門員を配置いたしまして、人材不足分野の企業に対し、採用コンサルティングや新たな求人の掘り起こしを行うとともに、これらの分野について、求職者が必要な知識を学べる就職促進セミナーというものを開催をしているところであります。また、ウェブを活用した合同会社説明会や県内各地におけるミニ面接会の開催によりまして、求職者と企業との出会いの場、マッチングの場を提供しております。こうした取組を通じまして、コロナの影響で働く場を失われた方々の早期再就職に向けた支援に全力を挙げてまいります。
自殺者についてでございます。本県の自殺者数でございますが、前年同月に比べて、八月以降増加いたしております。直近の十月を見ますと、六十二人から百五人へと大きく増加をしております。男女別にこれを見ますと、男性が四十二人から六十人に、女性が二十人から四十五人に増加しておりまして、全国同様女性の増加というものが顕著になってございます。また、年代別に見ますと、一月から十月の累計で見ますと、四十代以下が大きく増加をしているところであります。自殺は、本人にとってはこの上ない悲劇であるのは当然でありますが、それだけではありません。家族や周りの人々に大きな悲しみと生活上の困難というものをもたらし、社会全体にとりましても大きな損失であります。自殺者が増加をしている状況というものは大変憂慮すべき状況であると、このように重く受け止めているところであります。
今後の取組でございます。自殺は失業、経済、生活問題、健康問題など、様々な要因が関係をしているところでありますが、五月以降、県が設置をしております、ふくおか自殺予防ホットラインにおきましては、経済や生活、勤務問題などの相談が増加をしておりまして、新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、雇用や生活面に不安を抱えておられる方が増えているというふうに考えております。このため、五月に心の健康相談電話、六月にはふくおか自殺予防ホットライン、それぞれの回線を増設をいたしまして電話相談体制の強化を図るとともに、十一月からは、こころの健康相談会をハローワークで開催しているところでございまして、今後開催を希望される市町村の庁舎においても、この相談会を開催することといたしております。
自殺を防ぐためには、庁内関係部署はもとよりのこと、様々な関係機関が連携してこれに取り組んでいくことが重要であります。例えば、保健所に不登校の児童から相談があった場合には、保健師がスクールカウンセラーと共に面談を行い、医療的ケアが必要な場合には医療機関に同行もいたします。その後、学校、医療機関などと話し合いながら支援をしているところであります。このように自殺につながる様々な要因に関係する部署と機関が相互に連携、関わり合いながら、きめ細かに対応をさせていただいているところであります。
コロナ禍における高齢者の認知症の進行についてでございます。国の認知症施策推進大綱におきましては、運動不足や社会的な孤立は、認知症を進行させる要因となる可能性があるとされております。新型コロナウイルスの影響で、通所介護施設や地域の通いの場の休止、あるいは高齢者施設の面会制限等によりまして、高齢者の外出や人と会う機会が減少しております。このことは運動不足や人との交流の低下を招き、認知症の進行というものが危惧されるところであります。高齢者は新型コロナウイルスに感染いたしますと重症化しやすいことから、感染リスクを考慮しながら、一方で認知症対策に取り組んでいく必要があると、このように考えております。
県の取組でございます。認知症対策として、高齢者の運動不足や社会的な孤立を解消することが必要であります。このため県におきましては、体操やレクリエーション活動を行い、参加者同士が交流できる地域の通いの場というものが、コロナ禍においても安全に運営できるよう、感染対策の具体例や留意点をまとめたチラシを作成し、市町村に対し、その周知を図ってきているところであります。また、外出を控えておられる高齢者が健康を維持していただけるよう、各戸配布の「福岡県だより」で、自宅でできる運動をイラストつきで紹介をしたほか、ふくおか健康づくり県民運動のホームページにおきまして、日常生活の中でも簡単に取り入れることができる運動や体操について動画を掲載しているところであります。今後もこうした取組を通じまして、コロナ禍における認知症対策に取り組んでまいります。
市町村に対する支援でございます。認知症対策において、認知症の人やその家族に必要な医療、介護の導入支援や相談対応など、これらにつきましては、住民に身近な市町村がこれを担うことになっております。県内の全ての市町村におきましては、地域包括支援センター等に認知症地域支援推進員や認知症初期集中支援チームというものが設置されておりまして、認知症の方々をそれぞれの地域で支えておられるわけであります。県としましては、このような市町村の活動を支えていくことが重要であると考えておりまして、令和三年一月に、来年の一月に開催予定の、さきに述べました推進員やチーム員を対象とした研修会で、コロナ禍における活動の好事例というものを紹介していきたいと考えております。また、県内十一か所の認知症医療センターにおきましては、例年、管内市町村との情報共有や意見交換を行う認知症地域医療連携協議会というものを開催しているところでございますが、今年度につきましては、ウェブを活用して、これを実施しているところであります。
次に、JFEエンジニアリングによる大牟田リサイクル発電事業の承継についての提案であります。この提案でございますが、今年の六月、大牟田リサイクル発電株式会社に対しなされたものでございまして、その内容は、JFEエンジニアリング社が、大牟田リサイクル発電株式会社の全株式を取得すること、令和五年四月から令和十年三月までの最低五年間事業を実施すること、RDF処理委託料は、五年間一トン当たり一万三千円で固定すること、そして施設撤去は事業終了後、同社、これはJFEエンジニアリング社でございますが、責任を持ってこれを実施し、処理委託をする組合に対してはRDF処理委託料以外の費用負担は求めないこと、このような内容になってございます。
これについての県の評価と今後の対応でございます。今回の提案は、今申し上げましたように、事業参加組合にとりまして、RDF化による一般廃棄物の処理を継続に行うことが可能となります。また、撤去費用の負担軽減にもつながるものであると考えております。今後は、県が会長を務めております大牟田リサイクル発電事業運営協議会におきまして、参加組合、組合に処理を委託をしている宇美町、志免町、立地市であります大牟田市など関係者と協議を進めていき、今年度内に提案の受入れの可否について結論を出せるよう進めていきたいと考えております。
RDF発電事業終了後の関係一部事務組合のごみ処理に対する県の支援でございます。事業終了後の関係一部事務組合のごみ処理につきましては、まず新たなごみ焼却施設を建設する場合、そして他の市町村にごみ処理を委託する場合、また引き続きRDFの製造を継続する場合と、これらが考えられるわけであります。新たなごみ焼却施設を建設する場合や、他の市町村へごみ処理を委託する場合は、処理体制の広域化などによる効率的なごみ処理の観点も踏まえまして、新たな施設の整備計画策定のための技術的な助言や処理委託先の市町村との調整を県が行ってまいります。また、引き続きRDFの製造を継続する場合には、RDFの処理の委託先の確保について、県として支援をしてまいります。いずれにいたしましても、関係一部事務組合の構成市町の今後のごみ処理に支障が出ることがないよう、しっかり県として支援をしていきます。
次に、新型コロナウイルス関連倒産件数と今後の廃業でございます。東京商工リサーチによりますと、本県における今年十月までの倒産件数は二百四十五件でございまして、昨年の三百十件を約二割下回っているところであります。また、新型コロナウイルス関連倒産数は、十二月七日現在で二十九件となっております。一方、全国の今年の十月までの休廃業、解散件数を見てみますと、前年を上回るペースで推移をしておりまして、本県においても、多分同様の状況にあるというふうに推察をされるところであります。感染症の終息が見通せない中で、事業者は今後も厳しい経営環境が続くものと見込まれます。県におきましては、感染症の影響を受ける事業者に対しまして、その事業の継続を支援するため、県制度融資に創設をしました無利子、無担保の新型コロナウイルス感染症対応資金などによる資金繰りの支援、県持続化緊急支援金、県家賃軽減支援金の給付、経営革新の取組に対する支援などを行ってきたところであります。加えまして、プレミアムつき地域商品券の発行の支援や、福岡の避密の旅観光キャンペーンの実施による需要の喚起にも取り組んできておりまして、これらについては、さらなる強化を図るため、この十二月の補正予算で増額をお願いしているところであります。これから年末年始を控えまして、引き続きこうした取組により、全力で事業者の方々の事業継続を支援してまいります。
なりわい再建支援補助金の申請支援でございます。なりわい再建支援補助金の申請につきましては、九月十一日から県庁のほか大牟田市、久留米市にそれぞれ設置をしております現地窓口において受付を行っております。十二月七日時点での申請件数は五十件ありまして、このうち十月二十二日までの第一次公募、第二次公募期間に申込みがなされた十三件につきましては、十件交付決定が行われております。残余の三件及び第三次公募期間に申請のなされました二十七件につきましても、近日中に交付決定を行う予定でございます。また、現在受付を行っております、今四次公募をやっておりますが、この四次公募において申請がなされた十件について、順次審査を今進めているところであります。十二月七日現在、延べ四百三十六件の窓口相談と、百四十一件の電話の相談があっておりまして、県におきましては、申請に必要な書類の案内、説明、書類の作成方法についての助言など、申請者に対し丁寧かつきめ細かな対応をやらせていただいております。また、十一月から十二月にかけまして、大牟田市、久留米市で申請手続勉強会というものを開催をし、これまで事業者の皆様から質問の多かった項目の説明でありますとか、国との協議の結果、申請が可能となった事例の紹介など、これを行っているところであります。十一月十六日に大牟田市で開催した勉強会には六十名の方が参加をされました。今後ともこうした取組を通じまして、事業者に寄り添った、このなりわい再建支援補助金の活用について支援をしてまいります。
次に、重複債務のある事業者への支援でございます。県では、豪雨等の被災事業者に対し、県制度融資に緊急特別融資枠というものを創設をし、低利の貸付けを行うとともに、保証料の全額補填というものを県が行っております。また、取扱金融機関に対しましては、被災事業者の実情に合わせて、その返済緩和を行うよう要請をしているところであります。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者につきましては、県制度融資に創設をしております実質無利子、保証料ゼロの新型コロナウイルス感染症対応資金というものがございますが、その資金の使途というものを拡大をしておりまして、災害復旧に関わる経費についても利用が可能となっているところであります。
今、御指摘のありました劣後ローンでございますが、これは資本性があり、事業者にとりましては、財務体質を強化することができる。一方で、貸し手である金融機関にとりましては、劣後でございますので、企業倒産時に回収の見込みが非常に低い、リスクの高いものであります。現在、政府系金融機関であります日本政策金融公庫、商工組合中央金庫(商中)におきまして、資本性劣後ローンの制度というものが創設されております。こういった借入れを検討されている事業者の方から相談がありました場合には、こうした制度についての御案内をすることといたしております。
被災事業者に対する支援体制の構築であります。県におきましては、日頃から商工会議所、商工会、信用保証協会、金融機関、地元市町村など関係機関と連携を密にして、それぞれの事業者の支援に取り組んできております。大規模自然災害が発生した場合も同じでありまして、直ちに金融相談窓口を設置するとともに、制度融資の拡充による金融の支援、災害復旧に向けた補助事業の実施など、被災事業者に対する支援というものを関係機関一緒になって迅速に行ってきたところであります。このため、今後大規模自然災害が、また発生した場合でも、これまでと同様、関係機関しっかり連携をいたしまして、被災事業者の事業の再開とその継続に全力で取り組んでまいります。
新型コロナウイルス感染症をめぐる児童生徒の心身へのサポートについてでございます。いまだ学校での生活や社会経済活動が制限される中、児童生徒の不安やストレスといった心理的な影響への対応は、今後とも重要であると考えます。県教育委員会といたしましては、各学校に対してアンケート調査等で児童生徒の不安や悩みをきめ細かに察知し、スクールカウンセラー等の専門スタッフとの協働した、一人一人の心に寄り添う組織的な対応の徹底を、各学校が休業中であった五月以降、繰り返し市町村教育委員会や学校に働きかけているところでございます。
不登校への対応及び福岡県立大学不登校・ひきこもりサポートセンターとの連携についてでございます。不登校への対応につきましては、スクールカウンセラー等の専門スタッフを活用した教育相談体制の構築、教職員の資質向上のための教職員研修、家庭への啓発等により未然防止、早期発見及び早期対応に取り組んでいるところでございます。これらに加え、小中学校で効果があった具体的な取組を聞き取り、好事例としてまとめ、本年中を目途に周知を行うこととしております。併せまして、小中学校の一人一台端末については、今年度中に全ての市町村において整備される見通しとなっており、学校教育のICT化を推進する中で、これを活用した不登校の児童生徒への学習支援策についても研究してまいりたいと考えております。また、福岡県立大学不登校・ひきこもりサポートセンターとの連携につきましては、県、市町村及び関係機関で構成する教育相談ネットワーク会議への参加をはじめとして、不登校支援に関する助言をいただくなどしており、今後とも引き続き連携を図ってまいりたいと考えております。
高校入試の実施に当たっての対応についてでございます。今回試験会場においてはマスクの着用や手指消毒の徹底、小まめな換気等の基本的な感染防止対策に加えまして、座席の間隔を可能な範囲で確保するなど、各学校の実態に応じて、密を避けるための対策をできる限り実施し、志願者が安心して受験できる環境の確保を図ってまいります。また、新型コロナウイルスに感染するなど、やむを得ない理由により受験できない志願者が、受験機会を失することのないよう、追検査等を実施することとしております。
高校生の就職支援についてでございます。本年十月末時点の本県の高校卒業予定者に対する求人数が、前年と比べて約二三%減少していることや、企業の採用選考が例年より一か月遅れて開始されたことなどから、就職決定に向けた支援の強化と継続が必要であると認識しております。このため、九月補正予算で県立高校四十二校に就職指導員を配置し、新規の求人開拓や生徒への面接指導など、就職決定までの支援の強化を図ったところでございます。今後も労働局やハローワークなど関係機関と連携、協力しながら、来年度以降も見据えた求人開拓や学校を挙げての就職指導の充実に取り組み、就職を希望する生徒の内定率向上のため、きめ細かな支援を継続してまいります。
初めに、新型コロナウイルス対策関連の補助金等に関する不正受給の現状についてお答えいたします。県警察では、議員御指摘の補助金等の不正受給に関し、本年十一月末現在で約百三十件の相談等を受理しております。そのうち検挙事例としましては、本年七月に北九州市が実施している新しい生活様式の店舗助成事業を悪用した詐欺未遂事件の相談を受理し、小倉北警察署及び捜査第二課で必要な捜査を行い、不正申請の事実を六十七件確認し、十一事件、十一名を送致いたしました。また今月、国の持続化給付金制度を悪用した詐欺事件につき、被疑者五名を検挙し、現在捜査第二課を中心とした特別捜査本部において事件の全容解明に向け捜査中です。
次に、この問題に対する取組についてお答えします。経済政策に伴う各種補助金等の制度は、真に必要としている方に活用されるべきものであり、この制度を悪用することは決して許されるものではありません。県警察としましては、この種事案の全容解明に向けた捜査により、暴力団が関与している可能性がある場合には徹底した取締りを行うなど、県民の安全、安心の確保に努めてまいります。