12月定例会での質問 要約文

安部弘彦

県財政について・・・通常債残高の圧縮がますます厳しい状態になりますが県民に対して効果的な予算を組まれるお考えなのか、知事の御所見を伺いたい。

A.(小川知事)
現在は、@県民の命と健康を守るための感染症対策、A社会経済活動のレベルを上げるための取組み、B災害からの復旧、復興が急務と認識している。これらにしっかり取り組み、経済を立て直し、活性化を図って、税源の涵養につなげたい。経済の立案においては、県の今後の経済動向を注視するとともに、国の追加の経済対策、地方財政対策にも適切に対応しながら、実効性のある経済、雇用対策を取りまとめ経済の立て直しにつなげたいと考えている。

 

安部弘彦

地方自治の在り方について・・・大阪都構想で問われた広域自治体と基礎自治体との関係、中でも政令市との関係の在り方で、広域自治体と基礎自治体との関係はどうあるべきか。本県では約半数が政令市民で本来の都道府県事務と異なる形で住民サービスを受けていますがそのことについて伺いたい。また県知事としてこの制度に対する見解を伺いたい。広域自治体のビジョン・道州制導入についての見解もお願いします。

A.(小川知事)
基礎自治体である「市町村」が、持続可能な形で行政サービスを提供し続けられるよう、その自主性、自立性を尊重しながら、広域自治体である「都道府県」が、この市町村の業務の保管機能、広域調整機能を積極的に果たしてゆくことが必要と考えている。
県と政令市とは、共通する課題(暴力団対策、グリーンアジア国際戦略総合特区、宿泊税、セントラルパーク構想など)について知恵を出し合い、力を合わせてゆく関係であると考えている。
広域自治体と基礎自治体の二階層の自治構造を廃止し、広域自治体に包含されない「特別自治市」を創設しようとする考え方に関しては、国の出先機関をはじめ、国から地方への事務、権限の委譲など、地方分権改革を着実に進め、そのプロセスの中で、この大都市の在り方も改めて議論すべきだと考えている。
九州では現在の@災害時の応援協定、APCR検査の広域化、B重症患者の治療のためのECMOの広域利用、C九州の成長発展を目指した戦略的なプロジェクトの企画・実行など、都道府県域を超えた活動を着実に積み重ねることによって、国と地方の役割分担を見直し、地方分権改革を着実に推進し、究極の姿として「道州制」を目指すべきと考えている。

 

安部弘彦

デジタル化について・・・菅政権が取り組むデジタル化、行政改革についての受け止め方を伺いたい。県庁ではデジタル化をどのような分野で、どう進めてきたのでしょうか。成果と今後について伺いたい。県庁での印鑑見直しについて伺いたい。県内市町村のデジタル化、県内中小企業のデジタル化の取組に対する支援についても伺いたい。

A.(小川知事)
住民の利便性の向上、行政の効率化のため、国と地方が一体となって、デジタル化、行政改革を進めてゆく必要があると考えている。
 県はこれまで、「電子申請、電子入札など行政手続き」や「税務、生活保護など県民サービスに関する事務」、「庶務、人事給与などの内部の事務処理」など、多くの業務のデジタル化を行ってきた。現在、昨年3月に策定した「福岡県官民データ活用推進計画」に基づいて、行政情報のオープンデータ化を進めている。今年度は、@定型作業を自動化するソフトウエア型ロボット(RPA)、A住民からのオンラインでの問い合わせに対しAIが自動回答するAIチャットボットの導入を進めている。更に、ウェブ会議システムを全所属に導入するほか、在宅勤務が可能なモバイル端末を1,001台に増強した。今後国が策定予定の「自治体DX推進計画」を踏まえながら、県行政の更なるデジタル化を進めて参る所存。
県では、国の法令等で規定されているもの、合理的な理由があるものを除いて、原則として、押印の義務付けを廃止することにしている。現時点で、押印手続きを義務付けている手続きは、知事部局において約6,000件あり、内5,001件は義務付けを廃止できる見込みである。
 中小企業のデジタル化支援に関しては、商工会議所、商工会と連携し、ITセミナーの開催、IT導入補助金等の申請支援を行っている。専門的な知識が必要な場合には、@中小企業振興センター(専門家の派遣)、A中小企業生産性向上センター(現場でIoT導入等を支援)、Bよろず支援拠点(IT関係の多くの相談員を保有)、と連携し、支援を行っている。

 

安部弘彦

国際金融機能の誘致について・・・福岡県の強みをどのように考え、どのように生かし、国際金融機能を誘致されようとしているのか伺いたい。

A.(小川知事)
福岡県の強みは、@西日本屈指の人口と経済規模、Aアジアの主要都市を結ぶ国際航空などのネットワーク、B多様な産業、研究機関、教育機関の集積、C少ない自然災害や地震などのリスク、D良好な生活環境、と考えている。このような強みを国際的な金融機関や金融人材に広く知ってもらうため、「チーム福岡」を中心に産学官一体となってプロモーションを行ってゆく所存。また、県の香港事務所や各国の福岡県人会を生かし、情報収集と関係者への働きかけをおこなうとともに、医療、教育の充実、英語力の強化など、受け入れ態勢の整備を進め、国際金融機能の誘致につなげたいと考えている。

 

安部弘彦

脱炭素社会の実現について・・・菅総理が2050年排出ゼロを表明しましたが本県でもゼロ宣言をした上で、脱炭素社会を目指すべきだと考えますが、知事の認識を伺いたい。

A.(小川知事)
脱炭素社会の実現に取り組んでゆくことは、地球温暖化対策を一層後押しするものと認識している。国の方針や施策の検討内容を踏まえ、県においては来年度、新たな削減目標を定めるとともに、目標達成に向けた施策を盛り込んだ地球温暖化対策実行計画の見直しを行ってゆきたい。

安部弘彦

農林水産業の振興について・・・人口減少や高齢化の進展、新型コロナウイルス感染症の拡大により、消費が低迷し、民間在庫が適正水準を大きく超えている現状です。来年度本県では、米も含め、水田農業の振興にどのように取り組んでいくのか?

A.(小川知事)
高齢化を踏まえ、担い手の確保を図るとともに、水田の有効活用や所得を確保していくことが必要と考え、県産米の消費の拡大に加え、ラー麦を使用する新商品の開発支援により栽培技術の確立に取り組んでいる。
更に、スマート農業機械の導入、経営の複合化などについて支援を行う所存である。

 

 

安部弘彦

鳥インフルエンザへの対応について・・・今後どう対応していくのか、改めて伺いたい。

A.(小川知事)
12月25日、防疫対策本部を設置し、28日早朝、貿易措置を完了した。また、県内の全養鶏場に対し、緊急消毒を命令し、消石灰を配布した。今後、発生農家を支援するため、損失に応じた手当金の交付に向け、国へ速やかに申請を行う予定である。また、今後の発生に備え、必要な資材の補充及び備蓄数量の拡大を進める所存である。

 

 

安部弘彦

県産農林水産物の輸出拡大について・・・農業分野において、日本産温州ミカンのベトナムへの輸出解禁の早期実現を目指すことで一致した状況や、本県は温州ミカンをはじめ、あまおう、柿など多様な品目を生産している状況です。輸出が解禁された際、本県の果物が他県の先駆けとなるよう、今後の情報収集と必要な準備が重要と考えるが、更なる輸出拡大をどのように進めて行くのか伺いたい。

A.(小川知事)
海外の量販店やレストランにおける販売促進フェア、商談会への出店、バイヤーの産地への招待などに取り組んでいる。今年度は新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、輸出先国の状況に合わせ、県の海外事務所や現地の輸入業者と連携して、フェアを開催するとともに、ウェブを活用した商談なども取り入れている。
こうした幅広い取り組みを通じ、より一層の輸出拡大を図ってゆく所存である。

 

 

安部弘彦

新型コロナ対策について・・・現在の状況、そして真冬期に入る中での今後の見通しについて。インフルエンザとの重複対策と、その後の状況について。年末年始対策をどう考えているのか。ワクチン開発の見通しについて。ワクチン保管場所について。雇用情勢について知事の考えと具体的なプランを伺いたい。・自殺者対策について。本県における自殺者の推移はどのような状況であるのか、その推移について、知事はどのように認識され、どのような対策をするのか現在の取組も含め、具体的な取組を伺いたい。コロナ禍における認知症対策について伺いたい。認知症対策の市町村への支援について伺いたい。

A.(小川知事)
全国的な新規感染者が増加する中、本県の新規感染者は低水準で推移している。コロナの特性が明らかでない中、感染状況の今後を見通すことは困難ではあるが、今後の状況について警戒感をもって注視し、感染再拡大に向けた注意喚起を続けてゆく必要がある。
 季節性インフルエンザだけでなく、新型コロナの診療、検査も受けられるよう、発熱患者等の診療、検査を行う医療機関を「福岡県診療・検査医療機関」として、現在1,257の医療機関を指定し、診療・検査体制を強化している。
 新型コロナウイルスワクチンで、現時点では、国内で薬事承認されたものはない。国は、ワクチン開発の基礎研究から薬事承認、生産に至る全過程の加速化を図るとともに、海外でワクチンが開発された際には、令和3年前半までに全国民に提供できる数量を確保することを目指している。
 現在開発中のワクチンには、超低温状態での運搬や保管が必要とされるものがあり、超低温冷凍庫等の整備など、国からに指示に基づき適切に対応する所存。
 新型コロナの影響で、雇用情勢は全体として弱い動きとなっているが、建設、福祉、農業といった分野では引き続き人材不足の状況が見受けられる。コロナの影響で働く場を失った方々のため、人材不足分野への転職支援を強化しており、今後も早期再就職に向け全力で支援する所存。
自殺者は、前年同月に比べ、8月以降増加しており、直近の10か月では62人から105人へと大きく増加している。男女別にみると、男性が42人から60人に、女性が20人から45人と、全国同様、女性の増加が顕著になっている。また、年代別にみると40才代以下が大きき増加している。自殺は本人だけでなく、家族や周りの方々、また社会にとっても大きな損失であり、自殺者の増加は大変憂慮すべき状況であると重く受け止めている。このため、「ふくおか自殺予防ホットライン」、「心の健康相談電話」の回線を増設し、電話相談体制の強化を図るとともに、「こころの健康相談会」(於:ハローワーク)を開催しており、今後、この相談会は、希望する市町村の庁舎においても開催を計画している。

 

安部弘彦

大牟田リサイクル発電事業について・・・事業社からの実際の提案内容について伺いたい。提案の内容をどのように評価しているのか、またどのように対応しようとしているのかも伺いたい。

A.(小川知事)
提案内容は、@JFEエンジニアリング社が、大牟田リサイクル発電株式会社の全株式を取得する、A令和5年4月から令和10年3月までの最低5年間、事業を実施する、BRDF処理委託料は5年間1トン当たり13,000円で固定する、C施設撤去は事業終了後、同社が責任をもって実施し、処理委託をする組合に対してRDF処理委託料以外は費用負担を求めない、というものです。
 県としては、事業参加組合にとって、RDF化による一般廃棄物の処理を継続に行うことが可能になり、また、撤去費用の負担軽減にもつながると評価している。

 

 

安部弘彦

商工問題について・・・新型コロナウイルスの影響で従来どおりの売上げ、利益が得られず、廃業を余儀なくされる事業者があります。補助制度の採択要件の緩和や、申請書類の簡素化、書類作成に当たっての事業者に寄り添ったサポートが必要と考えるが、貴見を伺いたい。

A.(小川知事)
感染症の影響を受ける事業者に対し、事業の継続を支援するため、無利子・無担保の資金繰りの支援、県持続化緊急支援金、県家賃軽減支援金、経営革新の取組に対する支援などを行ってきた。更に、プレミアムつき地域商品券の発行支援、旅観光キャンペーンによる需要の喚起にも取り組み、国へも補正予算増額を要請するなど、全力で事業者の方々の事業継続を支援してゆく所存である。

 

 

安部弘彦

福岡県なりわい再建支援補助金について・・・現在の申請状況並びに交付決定状況と補助制度の採択要件の緩和や、申請書類の簡素化、書類作成に当たっての事業者に寄り添ったサポートについての見解を伺いたい。

A.(小川知事)
12月7日時点での申請件数は50件、内10月22日までの第一次公募、第二次公募期間に申し込みがなされた13件については、10件の交付が決定された。残余の3件、及び第三次公募期間に申請された27件については、近日中に交付決定を行う予定。現在第四次公募を行っており、申請された10件について順次審査を進めている。

安部弘彦

水害について・・・毎年のように水害が発生し新たな支援制度の創設等について伺いたい。

A.(小川知事)
重複債務のある事業者に対し、県は、豪雨等の被災事業者に対し、県制度融資に「緊急特別融資枠」を創設し、低利貸し付けを行っている。
被災事業者の実情に合わせて、その返済を緩和するよう、取り扱い金融機関に要請している。
政府系金融機関による「資本制劣後ローン制度」を検討している事業者に対し、相談に案内を行っている。

 

 

安部弘彦

コロナ禍における児童生徒の心身や不登校への対応について・・・年度初めの臨時休業の遅れを取り戻すため、授業の実施が継続されるなど、様々な学校活動に制約がある中、新型コロナウイルス感染症をめぐる不安などから不登校になった児童生徒を含み、すべての児童生徒への心身のサポートについて、また福岡県立大学不登校・ひきこ

もりサポートセンターとの連携について、どの様に考えているのか伺いたい。

男性

(城戸教育長)

従来から、各学校において保健室や相談室を活用し、学校生活への適応を図る取組を行っている。また、個々に応じた学習支援を進めるとともに、授業や学校行事等に参加する際には、仲間と望ましい人間関係を築く「絆づくりの取組」を行い、安心して学級に復帰できるよう支援している。今後も、県内外の不登校対応の情報をさらに収集し、効果的な取組について紹介し、啓発していきたい。不登校児童生徒に対しては、本県は不登校専任教員ではなく、教員が中心となり面談や家庭訪問、別室での指導、保護者との連携等を行うマンツーマン方式を推進し、一定の効果があると捉えている。

 

 

安部弘彦

高校入試について・・・試験会場での感染リスクを減らす取り組みや、志願者が感染して受験できなくなった場合の救済措置など具体的に伺いたい。

 

 

 

男性

(城戸教育長)

各学校の実態に応じて、三つを避けるための対策をできる限り実施し、志願者が安心して受験できる環境の確保を図ってゆく所存である。新型コロナに感染するなど、止むを得ない理由により受験できない志願者が、受験機会を失する事のないよう、追検査等を実施することにしている。

 

 

安部弘彦

高校生の就職問題について・・・現在の課題認識と今後の対応について伺いたい。

 

 

 

男性

(城戸教育長)

9月の補正予算で県立高校42校に「就職指導員」を配置し、新規の求人開拓や生徒への面接指導など、就職決定までの支援の強化を図った。今後も労働局やハローワークなど関係機関と連携、協力しつつ、来年度以降も見据えた求人開拓や学校を挙げての就職指導の充実に取り組み、就職内定率向上のため、きめ細やかな支援を継続して参る所存である。

 

安部弘彦

警察問題について・・・本県における新型コロナウイルス対策関連の補助金等不正受給の現状についてと一部報道では暴力団の関与も指摘される中、新型コロナウイルス対策関連の補助金等不正受給問題に関し、県警察としての取り組みを伺いたい。

 

 

 

男性

(警察本部長)

新型コロナウイルス対策関連の補助金等の不正受給に関しては、「北九州市が実施している店舗助成事業」を悪用した不正申請の事実を67件確認し、11事件、11名を送致した。また、国の持続か給付金制度を悪用した詐欺事件について、被疑者5名を検挙し、全容解明に向け捜査中である。
各種補助金等の制度は真に必要としている方に活用されるべきものであり、悪用することは決して許されない。この種事案の全容解明に向け、暴力団が関与している可能性がある場合は、徹底した取り締まりを行うなど、県民の安全、安心の確保に努めて参る所存である。

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