2020.10.2

安部弘彦

緑友会の安部弘彦でございます。それでは、通告に従いまして、衛生検査所における遺伝子関連・染色体検査の精度管理についてお尋ねをいたします。

 私は昨年、決算特別委員会において衛生検査所における検査の質の確保について、つまり精度管理について質問をいたしました。今回は、その後の社会情勢、状況の変化も踏まえてただしてまいりたいと思います。
 そもそも遺伝子関連、いわゆる染色体の分野では、長さや重さのように物理的な基準があるわけではないので、PCR検査が非常に難しいことは十分に理解をしております。今、新型コロナウイルス感染症のPCR検査に注目が集まっていますけれども、このPCR検査も遺伝子関連・染色体検査の一つであり、偽陽性や偽陰性といったような遺伝子関連・染色体検査の品質や精度を確保することは非常に重要であると考えています。このため、衛生検査所における遺伝子関連・染色体検査の精度管理について、その後の状況をお尋ねします。
 改めまして、衛生検査所とはどのようなところで、どのような検体の検査を行っているのか、分かりやすく教えてください。また、昨年、県内の衛生検査所は49か所と伺っておりますけれども、その後、変化があったのか。さらに、遺伝子関連・染色体検査を行っている衛生検査所は何か所で、どのような検体の検査を行っているのか、お示しください。

男性

(田中医療指導課長)

衛生検査所とは、人体から排出、採取された血液などの検体を検査する施設で、肝炎ウイルスなどを調べる疫学的検査をはじめ、がん細胞の組織を調べる病理学的検査や検体の遺伝子配列情報を検査する遺伝子関連・染色体検査など、7分野について検査を実施いたしております。
 昨年の決算特別委員会後、衛生検査所の数に変化はございません。49の衛生検査所のうち、遺伝子関連・染色体検査を行っている衛生検査所は、9月1日現在におきまして九か所となっております。
 検査項目といたしましては、ノロウイルス、結核、腸管出血性大腸菌の遺伝子検出検査など多岐にわたっておりまして、各衛生検査所が取り扱う検査項目は、それぞれ異なっている状況でございます。

安部弘彦

それでは、遺伝子関連・染色体検査を行っている衛生検査所のうち、新型コロナウイルス感染症のPCR検査を行っている衛生検査所の状況はどうなっていますか。

 

 

 

 

男性

(田中医療指導課長)

本年三月、新型コロナウイルス感染症のPCR検査が保険適用となって以降、新型コロナウイルス感染症のPCR検査を自所で行う衛生検査所が少しずつ増えてきております。現在、県内の七か所の衛生検査所におきまして新型コロナウイルス感染症のPCR検査が行われております。

安部弘彦

新型コロナウイルス感染症は、今後も感染の拡大と収束が反復することが予測されており、新型コロナウイルス感染症のPCR検査を含む遺伝子関連・染色体検査の精度管理は大変重要であると考えております。

 昨年の決算特別委員会において、遺伝子関連・染色体検査に関わる責任者を置いていることを確認するとともに、今後とも検体検査の精度管理が適切に行われるよう立入検査等において指導すると回答をいただきましたけれども、昨年度の立入検査の結果はどうだったのか御説明ください。

 

男性

(田中医療指導課長)

県及び保健所設置市におきましては、衛生検査所で行われている検査方法の確認や検査結果の質の向上を図るため、二年に一度、立入検査を実施しておりまして、立入検査に当たりましては、大学教授等の有識者十名から成る精度管理専門委員から、専門的な視点を踏まえて技術的な指導をしていただいております。
 令和元年度の遺伝子関連・染色体検査を行う衛生検査所に対します立入検査につきましては、遺伝子関連・染色体検査に係る責任者の配置、当該衛生検査所以外の検査機関と検体を相互に確認を行うクロスチェック、または外部精度管理の受検状況について確認をしたところでございまして、全ての衛生検査所におきまして適正に実施されておりました。

 

安部弘彦

県が行っている立入検査については、新型コロナウイルスの影響があると聞き及んでおりますけれども、今年度の立入検査ではどのような項目について重点的に検査を行うようにしているのか伺います。

 

 

 

男性

(田中医療指導課長)

今年度の衛生検査所に対する立入検査は、昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、自主点検調査票を利用した書面による検査といたしております。
 今年度の重点項目といたしましては、精度管理専門委員の意見を踏まえまして、内部精度管理が確実に行われているかを確認することとしており、現在その実施状況について調査をしているところで、十月末までに完了する予定でございます。

安部弘彦

十月末までに完了するということで安心をいたしました。

 今後とも、衛生検査所に対して適切な指導を行っていただいて、検体検査の品質、制度を確保していくことが極めて重要であると考えております。このことについてどのように考えているのか、お示しください。

 

 

男性

(田中医療指導課長)

衛生検査所で行われる検体検査は、医療の分野において重要な役割を担っており、正確な検査結果はその後の適切な診断や治療に不可欠であります。各衛生検査所における遺伝子関連・染色体検査の精度管理につきましては、引き続き、精度管理専門委員による専門的な意見を踏まえながら、その品質や精度が十分に確保されるよう努めてまいります。

 

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