2019.10.4

安部弘彦

緑友会の安部弘彦であります。通告書に従いまして、はかた地どりのブランド化についてお尋ねをしてまいります。

 平成三十年度福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略実施状況報告によれば、ブランド化や独自産業などの付加価値向上、輸出の促進や県外への販路拡大においてブランド化の推進品目の認知度向上に取り組み、はかた地どりを初めとする従来の十二品目に加えて、はかた一番どりが新たにブランド品目となりました。合計で十三品目になったことは喜ばしい限りであります。このような中、はかた地どりは、福岡県の郷土料理の水炊き、そして、筑前煮にも最も適した鳥を提供したいとの思いから、県農林総合試験場で国内の在来種であるシャモをベースに開発された地鶏で、出荷数を年々伸ばしております。平成二十九年には、宮崎県のみやざき地頭鶏を抜いて、九州一の出荷数を達成したと聞いております。
 まず初めに、現在のはかた地どりの開発の経緯と、どのような特徴があるのかをお答えください。

男性

(重吉農林水産政策課長)

現在のはかた地どりは、肉質の改良によりブランド力を強化するため、農林業総合試験場で平成十九年度から開発に着手しました。シャモと横斑プリマスロックをかけ合わせた雄にホワイトロックの雌をかけ合わせ、平成二十一年度に現在のはかた地どりが誕生しました。その特徴は、うまみ成分であるイノシン酸がブロイラーより約四割多く、肉質がきめ細かになっております。

安部弘彦

そのように開発され、イノシン酸がブロイラーよりも四割多いということでありますけども、新たに県のブランドとなったはかた地どりが、今後さらに知名度を高めて、ほかの産地との競争に打ち勝つためには、新たな需要の開拓や付加価値の向上などに取り組む必要があると考えています。

 近年では、健康に対する意識が高まっていることもあり、おいしいということだけではなかなか売れないということもありましょうし、それに加えて、生活習慣病を改善するなどの健康によいという効果、いわゆる機能性が期待できることは、付加価値向上のために大きなアピールポイントとなると考えております。はかた地どりにも機能成分が多く含まれていると伺っておりますが、どのような成分が含まれているのか、また、どのような働きを持つのかをお尋ねいたします。

男性

(重吉農林水産政策課長)

はかた地どりには、アミノ酸の一種であります、イミダゾールジペプチドが、ブロイラーに比べ多く含まれております。この成分は、物忘れなど記憶力の低下を軽減し、認知症予防の効果が期待できるほか、疲労感を軽減する機能もあります。

安部弘彦

おいしいだけではなくて、認知症の予防や疲労軽減にも効果があるという、機能性も持ち合わせたはかた地どりでありますけれど、今後、福岡県産ブランドとして販売をさらに伸ばしていくためにも、安全・安心な地鶏としてアピールも重要であると考えますが、このような取り組みをどのように行っているのかをお尋ねをいたします。

 

男性

(永末畜産課長)

はかた地どりについては、全生産者、県関係団体が構成する福岡県はかた地どり推進協議会が、はかた地どりのひなの生産、農場での飼育、処理、加工に至るそれぞれの過程で、飼育期間、飼育密度などを定め、その遵守を徹底することで品質を確保しております。また、県では、農場段階で微生物や異物などの危害要因を防止するための取り組みである、HACCPの導入を支援しているところでございます。

安部弘彦

危害要因を防止するためのHACCPの導入も支援をされているということで、しっかりとした品質を保ち、生産されるということであります。

 近年では、我が国において岐阜県や愛知県などで感染が拡大をしている豚コレラ、それから過去には宮崎県で発生した口蹄疫、はかた地どりのような鳥では高病原性鳥インフルエンザなどがあり、ひとたびこれらの病気が発生すれば築き上げてきたブランドに大きなダメージがあると考えております。家畜防疫の対策の重要性は非常に高まっていると思料されるところですけれども、本県での鳥インフルエンザの防疫対策の取り組みはどのようになっているのか、お尋ねをいたします。

男性

(永末畜産課長)

鳥インフルエンザは感染力が強い家畜伝染病であるため、発生予防、そして迅速的確な初動防疫が重要な対策となっております。発生予防については、県では、県内全ての養鶏農家に対し、農場の消毒、人、車両の立ち入り制限などを定めた飼養衛生管理基準の遵守を指導しております。初動防疫体制については、処分を迅速に行うため、獣医師会やバス協会などの関係団体との防疫協定を締結しております。また、関係団体や市町村と連携して防疫演習を定期的に実施しております。

安部弘彦

それでは、鳥インフルエンザの発生予防と初動防疫について、一定の対策はされているということありますが、万一、鳥インフルエンザが発生した場合には、九州一となったはかた地どりの生産への影響が非常に心配されるところでもあります。本県産ブランドであるはかた地どりについて、鳥インフルエンザの発生した場合の、何か特別な対策はとられているのでしょうか。

 

男性

(永末畜産課長)

はかた地どりについては、親となる種鶏を県内一カ所で飼育しておりましたが、鳥インフルエンザが発生した場合、生産ができなくなるおそれがあるため、昨年度から、分散して飼育する取り組みに対して支援を行っております。

安部弘彦

その一カ所というのは、多分、我が町、岡垣のことだと思いますが、万一、鳥インフルエンザが発生した場合でも、はかた地どりの生産に影響が出ないように分散の飼育対策が図られているようですが、同様に、他の県の地鶏も振興にはかなり力を入れておられると思っています。九州一になったとはいえ、今後、産地間での競争がさらに激しくなると思われますけれども、はかた地どりを含む畜産業の競争力を強化するために予算が確保され、とりわけはかた地どりについては、平成三十年度には一千七百万円余の措置がされているところであります。はかた地どりは、福岡県産ブランドとして産地間競争に打ち勝っていくためにも、国内だけではなくて海外にも目を向けることが極めて重要であると考えます。

 そのような取り組みをどのように行っておられるのか、お尋ねをいたします。

男性

(永末畜産課長)

はかた地どりを輸出するためには、輸出先国が求める衛生基準に適合する輸出用の処理加工施設として選定される必要がございます。はかた地どりの生産販売を行う福栄組合は輸出拡大を志向しており、県としてもこれを進めるため、国庫事業を活用し、平成三十年三月に完成した香港向けの衛生基準に適合する施設の整備を支援しております。また、現地の高級料理店への販路拡大も支援してきたところでございます。

安部弘彦

一方で、はかた地どりの出荷数は伸びており、認知度も高まっているところから、ブランドの保護に向けた取り組みがますます重要になってくると思っております。

 はかた地どりは、平成二十四年六月二十九日に特許庁長官によって商標登録がされていますが、ブランドの保護という観点から、同商標が不正使用されないための対策はどのようにされておられるのか、お答えをください。

 

 

男性

(永末畜産課長)

はかた地どりについては、地域団体商標の制度として、行政機関である県では登録を受けることができないことから、福岡県はかた地どり推進協議会の構成員である全農が商標権を取得しております。この推進協議会は、全農と商標使用許諾契約を締結し、商標の使用を行うとともに、第三者による商標の使用制限や権利侵害への措置等を定め、商標を管理しています。今後とも、商標の管理を徹底することにより、はかた地どりのブランドの保護に努めてまいります。

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