2019.6.26
まず、昨年七月の集中豪雨により、今まで経験したことのない大量のごみが海岸に漂着しました。撤去等、地元選出の自民党県議団、松本國寛会長を初め関係者の方々の御尽力により、迅速かつ適切な対応をしていただきました県に対しまして、遠賀郡の住民として厚く御礼を申し上げます。おかげさまで、海開きは少しおくれたものの、海水浴やサーフィンを楽しみにしていた観光客の方、観光に携わる関係者の方々には大変喜んでいただけたものと思っております。
それでは、通告書に従いまして一般質問させていただきます。
本日の質問テーマは、県民の健康増進とスポーツツーリズムの推進についてであります。昨年十二月に発行された福岡県スポーツ推進計画で、本県は、県民のスポーツ活動を活性化することにより地域に活力をもたらし、スポーツの力により活性化した地域が、さらにスポーツを支援できる力を発揮するスポーツ立県福岡の実現を目指すとされ、二〇二三年までの五年間を計画期間として、本年も予算が計上されております。
そこで、サイクリングやウオーキングによる有酸素運動の普及、県民の健康増進等について、知事の御所見をお尋ねしたいと思います。
二〇一八年から始まったふくおか健康づくり県民会議設立総会の資料によりますと、本県の平均寿命、男性は八十・七二年、健康寿命は七十一・四九年で全国四十位、すなわち九・二三年の間は健康でない期間であります。女性の平均寿命は八十七・三二年、健康寿命七十四・六六年で全国三十位、すなわち十二・六六年の間健康でない期間であるということになります。これは平成二十八年のデータですが、福岡県民の健康年齢が全国平均を大きく下回っている、特に男性高齢者の運動習慣は目標値を一七%も下回っていることなど、県民の健康を維持向上し、単に生存年齢を高めるのではなく、健康年齢を高めるためにも有酸素運動を手軽に楽しくできる環境、そして周知が必要だと思います。なぜならば、健康で暮らすことが本人も家族も幸せですし、高齢者の医療費削減にも結びつくからであります。
総合体力研究所の資料によると、普通のウオーキングよりノルディックウオーキングは、ポールを使うことで全身の筋肉をたくさん刺激するので、エネルギー消費量が二〇%増加すると言われています。また上半身もしっかり使うので、肩や首の凝りの解消、肩甲骨の可動域の改善にも有効で、さらに歩行訓練やリハビリとして活用することもでき、歩きの質を高めることができるそうであります。この運動効果については、滋賀県立大学院の寄本明教授(滋賀県東近江市)が発表した「六ヶ月間のストックウォーキングおよびノーマルウォーキングが血液性状・形態・機能に及ぼす影響」という研究発表もあります。つまり体力づくり、スタミナアップ、減量やメタボ対策、健康づくりにとても効果的なウオーキングというわけです。そのためには公認の資格を持った指導者やインストラクターによる講習、イベントの実施、指導者の育成が喫緊の課題と思います。もちろん関連団体や市町村などの連携も必要です。
そこで知事にお尋ねいたします。有酸素運動の普及、県民の健康増進のための指導者育成や市町村のスポーツ推進委員との連携、また研修会の開催など、どのようにお考えなのかお尋ねをいたします。
九州のサイクリングロードの情報サイトによりますと、福岡県には本年度中に完成予定の直方─芦屋ルートを含め、十四本のサイクリングロードがあります。また佐賀県に三本、長崎県に二本、熊本県に三本、大分県に三本、そして鹿児島県に四本と、他県を合わせると二十六本になります。とりわけ直方─芦屋ルートの間には、世界遺産遠賀川水源地ポンプ室、隣接して中間堰、将来結節点になるであろう芦屋港も、二〇二八年までの間に活性化が進められる計画になっています。また芦屋─宗像までの遠賀宗像自転車道では、途中にはアサギマダラの飛来地や波津漁港、そして宗像・沖ノ島と関連遺産群の世界遺産、新原古墳群などがあり、点と点を結ぶ見どころいっぱいの観光コースです。しかしながら、途中海岸侵食が自転車道まで脅かしそうな危険な箇所や防風、防砂柵が腐食をして景観が悪い箇所、また貸し自転車のメンテナンス拠点など、整備が必要な部分もあります。この自転車道は、ウオーキングと併用して活用できるコースにはなっていますが、掲示物などの整備が不十分だと思います。有酸素運動の普及、県民の健康増進のため目的別、観光、健康、体験コースとして再整備をしてはどうでしょう。遺跡、社寺仏閣、果樹園などの観光拠点を連携し、ルート周辺の整備をしてグレードアップしてはと考えます。
以上の観点に鑑み、既存の自転車道を生かした観光振興の取り組みについて、知事の御所見を伺います。
多くのインバウンドも視野に、目的別に世界遺産、遺跡、社寺仏閣、果樹園などの観光拠点間を結ぶルートとして、今後どのくらいの期間で新しい広域ネットワークを構築し、さらには観光資源の開発をされていくお考えなのか、あわせて本県だけでなく、オール九州で取り組むお考えについてもお伺いをしたいと思います。
長くなりましたが、県民の健康増進とスポーツツーリズムの推進のための観光との連携や世界遺産群の維持といった観点からも、サイクリングロードの整備、ノルディックウオーキングなどの有酸素運動の普及といった事業のより一層の充実、あわせて地場産業の育成、発展、経済的な効果も含め、県内に展開するサイクリング、遊歩道の整備など、オゾン、緑いっぱいの福岡県を健康づくりのメッカに育て上げ、魅力ある地域づくりで県民の健康寿命延伸に結びつけることに御尽力をいただきますように強く小川知事に御要望申し上げ、私の質問を終わりたいと思います。
御清聴ありがとうございました。
A. お答えを申し上げます。
まず初めに、県民の健康増進のための有酸素運動の普及でございます。県におきましては、健康寿命の延伸を目指しまして、県民お一人お一人が健診の受診、食生活の改善など具体的な健康づくりに取り組んでいただくふくおか健康づくり県民運動というものを推進してきております。運動習慣の定着は、その中での、その取り組みの柱の一つでございます。
御指摘の有酸素運動につきましては、全身を使った運動によりまして、基本的な体力や持久力を身につけることができ、比較的安全で誰もが無理なく取り組めることから、健康づくりの有効な手段と言われているところであります。県におきましては、今年度からでございますけれども、市町村が福岡大学スポーツ科学部において、残念ながらお亡くなりになりましたけれども、田中宏暁教授が提唱されました、隣の方と会話ができるくらいの運動の強さで行いますスロージョギング、福岡発で県内の複数の自治体において取り組みが広がっております、ケアトランポリン、全国的に広く取り組まれておりますウオーキングなど、運動習慣の定着に資する運動を取り入れた健康教室を新たに、また拡充して、これを実施する場合に、市町村のそのかかる経費について助成を行うことといたしております。また市町村のスポーツ推進委員等を対象といたしました研修会の開催、指導員の養成、県、市町村が開催するイベントにおける講演会、体験会の実施などを通じまして、県民の皆様の運動習慣の定着を図ってまいります。
次に、自転車道を生かした観光振興についてでございます。昨年の五月でございますが、県を挙げてサイクルツーリズムを推進をするため、福岡県サイクルツーリズム推進協議会を設立いたしました。この協議会のもとで、既存の自転車道も活用した五つの広域モデルルートというものを決定をし、専用のホームページにおきまして、そのルートや周辺の観光スポットなどについての情報を発信をしているところであります。今後、ことし三月に策定をいたしました福岡県自転車活用推進計画に基づきまして、二〇二一年度までに新たに五つの広域モデルルート、その設定を目指すとともに、ルート周辺のストーリー性を持った観光資源の開発につきましても、沿線の市町村に対し働きかけを行ってまいります。
またオール九州での取り組みにつきましては、今月開催をされました九州地方知事会におきまして、私のほうから九州・山口サイクルツーリズムの推進方針というものを御提案をし、了承をいただいたところであります。現在その推進方針に基づきまして、九州・山口各県の観光部局間におきまして、県域をまたいだ広域推奨ルートの設定などについて協議を進めているところでございます。